カードファイト!!ヴァンガード
□光の聖騎士〜ブラスターブレード〜3
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目の前を刃が通り抜け、前髪を少し斬った。
まさに紙一重でアルヴィスの剣をかわしたクラティスは、一気に後ろに飛んだ。
「さすがだな、クラティス」
アルヴィスは一閃させた剣を構え直した。
「こっちのセリフだろう。まさかそのタイミングで踏み込むとは思わなかった」
「お前は大抵の攻撃は予測してかわすからな。こうでもしないと」
「アルヴィスに猛攻されたらたまらないな」
クラティスはお返しとばかりに距離を詰めて打ち込む。いなされたので、次の攻撃に転じる。アルヴィスの後ろに回り込み、彼が行う動作を予測する。
(この足の動き……。防御体勢……と見せかけたカウンター攻撃!)
アルヴィスは思ったとおり、クラティスが懐に入ってから攻撃体勢にはいる。
なんとか防御体勢に切り替え、かわす。アルヴィスの攻撃が避けられた、その一瞬の隙をついて、クラティスはアルヴィスに剣を突きつけた。
「……。参った」
肩をすくめてアルヴィスが言った。アルヴィスが剣を収めたので、クラティスも、剣を下ろす。
その時、アルヴィスがニヤリと笑う。
「なんてな!」
「!」
アルヴィスがクラティスに足払いをかけた。
「うわっ」
クラティスは床に転んだ。不意打ちとはいえ、受け身はとったので大事はない。
「……アルヴィス」
卑怯だと言う気はない。しかし釈然としないのだった。
よほどクラティスが憮然とした顔をしていたのだろう。アルヴィスは笑った。
「はははっ。クラティス、油断するほうが悪い」
アルヴィスは床に転がったままのクラティスの隣にきて同じように寝転がる。
「負けず嫌いめ」
「なんだ、クラティス。俺との鍛錬では手加減なしという約束だろう?」
「わかった。これからは降伏してからが勝負なんだな」
投げやりにそう言ったら、アルヴィスはまた笑った。