カードファイトヴァンガード 短編
□見えない未来
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その人と初めて会ったのは戦場だった。
敵同士なんてドラマチックな展開ではなかったけれど、聖なる騎士と応援にきた魔術師という出会いだった。
ある戦で彼は前衛として戦い、傷を追ったところを私が治癒魔法で助けた。
同じ国家の仲間として当然のことをしただけなのに、彼はいたく感謝してくれた。
「本当にありがとう。助かった」
その笑顔に心を奪われていると、彼はまだ回復しきってないのに立ち上がる。
「心配してくれてありがとう。しかし、私は騎士だ。皆を先導し戦わなければ……。それに、マイヴァンガードの期待は裏切れない」
かのロイヤルパラディンのヴァンガードは彼を最も信頼しているという。
「君にはまた改めてお礼をしたい。君のおかげで私達は勝利できるのだから」
その言葉には勝利することへの確かな自信に満ちていた。それに、自分が協力できたというのが嬉しい。
「名前を教えてくれないか?オラクルシンクタンクの魔術師だろう?」
私は答えた。
ロゼンジ。ロゼンジ・メイガス。
「そうか。私は『ブラスターブレード』だ」
ブラスターブレードはそういうと、真っ直ぐに戦場に戻っていった。
そして、さっきまでの劣勢を嘘のように跳ね返した。その、光の剣で。
ロゼンジがブレードを好きになったのはそれを間近に見た時からだった。