カードファイトヴァンガード 短編

□見えない未来
1ページ/13ページ

その人と初めて会ったのは戦場だった。
敵同士なんてドラマチックな展開ではなかったけれど、聖なる騎士と応援にきた魔術師という出会いだった。

ある戦で彼は前衛として戦い、傷を追ったところを私が治癒魔法で助けた。
同じ国家の仲間として当然のことをしただけなのに、彼はいたく感謝してくれた。


「本当にありがとう。助かった」

その笑顔に心を奪われていると、彼はまだ回復しきってないのに立ち上がる。

「心配してくれてありがとう。しかし、私は騎士だ。皆を先導し戦わなければ……。それに、マイヴァンガードの期待は裏切れない」

かのロイヤルパラディンのヴァンガードは彼を最も信頼しているという。

「君にはまた改めてお礼をしたい。君のおかげで私達は勝利できるのだから」

その言葉には勝利することへの確かな自信に満ちていた。それに、自分が協力できたというのが嬉しい。

「名前を教えてくれないか?オラクルシンクタンクの魔術師だろう?」


私は答えた。
ロゼンジ。ロゼンジ・メイガス。


「そうか。私は『ブラスターブレード』だ」


ブラスターブレードはそういうと、真っ直ぐに戦場に戻っていった。

そして、さっきまでの劣勢を嘘のように跳ね返した。その、光の剣で。


ロゼンジがブレードを好きになったのはそれを間近に見た時からだった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ