カードファイトヴァンガード 短編
□希望となり愛となり
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「イゾルデ殿。お久しぶりです」
本当に久しぶりに見る愛しい人は、纏う鎧以外は何も変わっていなかった。
優しげな微笑に、イゾルデはつい、泣きたくなった。
――
マロンは久しぶりにくるロイヤルパラディンの居城に、懐かしさを覚えていた。騎士王によって一部のロイヤルパラディンの騎士達が新たな騎士団、ゴールドパラディンに移籍されてからしばらく経った。
二つのクランは仲が良いのでこうした行き来もできるというのはありがたい。
今では大賢者なんて呼ばれて、敬われたりするけれど、昔の未熟さを思うと今の自分がおかしく思えたりする。
(ここから、すべてが始まった)
元は、ここまで騎士団についてくる気はなかった。けれど、騎士王と出会い、ブラスターブレードと出会い、闇たちと出会った。
それによって自分は確実に良い方向へ変わった。
あの頃は自分たちのことで精一杯だったのに、今は自らが見守る立場など、信じられない。
「マロン様!!」
ふいに後ろから声がした。見ると、かつてロイヤルパラディンだったころ戦場を共にした兵士だった。
「お久しぶりです!!またお会いできるなんて光栄です!!」
「うん、久しぶり。ロイヤルパラディンはやっぱり懐かしくていいね」