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□〜可愛い末妹〜
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すごく申し訳なさそうに二度も俺に謝って食堂を出て行ったまなみちゃん。
あまりにも食べない彼女と、さっきの表情が気になって、そっと後を追いかけてみると甲板の柵に寄りかかってタバコを吸い始めたまなみちゃん。
するとイゾウが近くにたった。
まァ、誰であれ、まなみちゃんがそう簡単に近寄るはずもないし、今回はイゾウ残念ッ。
とか思ってたら、ほとんど会話もせずにまなみちゃんは、イゾウになんだか嬉しそうに近寄っていて、あいつの大事な煙管に口をつけた。
あァ、愛煙者同士何か通じるものがあったのかな?
とか思ってたら、まなみちゃんが、イゾウにあだ名つけてた。
そんな人の呼び方なんて気にする彼女を見たのは初めてで。なんだか驚いたような、少し寂しいような気がした。
だって俺は、初めて会って以来未だにきちんと名前で呼ばれた覚えがない。
そんなことをぼーっと考えてると、後ろに二つの気配。
振り向くと、なんだか寂しそうな、それでいて拗ねたような気配のエースがずんずんとまなみちゃんに近寄っていった。
それをみて、ため息をつくうちの長男ことパイナ…否、マルコ。笑
髪型特徴的すぎだよね。笑
なんて置いといて、とか考えてたら唐突に
「あいつ、餌付けは通じるのかよぃ…」
なんてマルコが呆れ顔で言葉を発した。
餌付け…?あァ、まなみちゃん、煙好きだから、イゾウに貰ったタバコが美味くてなついちゃったってこと?
…そんな、なんだか猫にマタタビみたいだ。笑
そんな事を思ってたらいつの間にか彼女は甲板の隅に、エースと移っていてなにやら話をしている。
うちの素直な末っ子のことだから、どーせ素直に呼び名がどーのこーのって拗ねてるんだろうな…苦笑。
あ、ほら、困ってる困ってる。笑
そうかと思えば、親父に気にされてるのに気づいたのか、寝たエースを置いて親父の膝によじ登り始めた。
おいおい!!
流石にそれは怖いもの知らず過ぎるつーかー…苦笑。
でも、親父もなんだかすごく嬉しそうに可愛い可愛い末妹(すえっこ)を優しい目で見てる。
あァ、やっぱり俺たちの親父はでけぇなァ…なんてしみじみ思ってたらまなみちゃん、親父に頭撫でられてるのが気持ちいいのか、本当に猫みたいに目を細めてうとうとしはじめた!
…ぶはっ!たまんねぇ!笑
俺たちには、可愛い可愛い妹が出来ました。
その妹は、餌付けに弱くて、懐つくと撫でさせる。
人に撫でられると、それはそれは、気持ち良さそうに目を細める、まるで猫のような妹が…。