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□〜幸せの表情〜
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イゾウの部屋に着いてからのまなみは、まるで小さい子供がお母さんが作ってくれるご飯が待ち遠しいって感じにそわそわと落ち着きがなくて。
イゾウに手入れの仕方を教えると言われたら、テーブルまですっ飛んで行き、すごく真剣に話を聞いていた。
そんな中、俺は本ばっかりのきちんと整理されたイゾウの部屋で、やることもなければ無性に落ち着かなくて、
でもまなみを置いて行くのは嫌だったから、部屋の隅で昼寝を決め込んでいた。
にぃーねの部屋まで案内役を買って出たエースは、部屋に入ってから、私同様落ち着かない様子でうろうろしていた。
でも、私がにぃーねの側で愛で方(にぃーね風の手入れの仕方)
について教わって居る時は、部屋の隅で寝始めた。寝るなら自分の部屋戻ればいいのに?
そう思って、一瞬だけ、エースへと意識を向けた私に気付いたのか、
にぃーねは面白そうに
「エースもすっかりシスコンだなぁ」
と言いながら、喉の奥で低く笑ってた。
あぁ、そっか、エースは親父様からも私の面倒を見ろと言われてたから、一生懸命面倒見て、側にいてくれるのか。
お兄ちゃんってゆーより、弟みたいだと思ってたけど、本当に優しい人だなぁ。
なんて思うと思わず顔がにやけてしまう。
でも、なんだか、皆を、特ににぃーねぇなんて、お兄ちゃんでお姉ちゃん!!
と私としてはすごく慕っていて、にぃーねは、私のどう思ってるのかな?と純粋な疑問が湧いて来た。
「にぃーねはぁ?」
と聞くと、一瞬不意を付かれた顔をした後、ふわりと、それはそれは綺麗に笑って
「俺も十分シスコンだよ。後、マルコとサッチもな。」
と言って、その綺麗な笑顔には似つかわしくない荒々しい手つきでわしゃわしゃと私の頭を撫でてくれた。
あぁ、もうにぃーねの美しさは留まる所を知らない…!
なんて、顔を赤くしながら思っていると、扉をノックする音が聞こえて、ドアが開いた。
…返事聞かずにドア開けるとか、ノックの意味あるんだろうか…。
「あぁ、やっぱりここにいたかよぃ。サッチが昼飯出来たから呼んで来いってさ」
そういって、扉の向こうから現れたのは、我らが南国フルー…不死鳥こと、よいよい隊長。
なんか、今のにぃーねの言葉を聞いてたからか、顔が見れただけで嬉しくて、非常にスキンシップがしたくなった私は、ドアの所から入ってくるよいよい隊長にタックルのごとく飛びついた。
「よいよい隊長―っ!!!」
どんっ
「おわっ?!…お前は…俺を見ると飛びつく習性でもあんのかよぃ?」
そういって、驚きながらも私を受け止めてくれるよいよい隊長の顔をみて、だらしなく顔を崩しながらえへへー。
と笑った。
私の顔、今きっとものすっごい不細工だけど、この際仕方がない。
だって、なんだか無性に嬉しいのだ。
そんな私をみて、驚いたように目を開いたと思ったら、目を細めて笑ってくれたよいよい隊長。
「エースの部屋の掃除も無事終わったのかよぃ?腹減ったろぃ?飯行くぞ。」
そういって、その大きな手で優しく頭を撫でてくれた。
あぁもう、なんて素敵な人達ばかりの船なんだろう。
これは、親父様に会いに行くしかない。思ったら即行動!!な私は、
「先行ってて!!ちょっと用事出来た!!」
と言って、親父様の部屋へとダッシュしたのだった。