夢の世界へ

□4 双子の物語
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はぁーー
どうしよう

白ウサギさん見失ってしまった




『どうすれば……』

「なにかお探しかな?迷子のお嬢さん」

『え!?』




後ろを振り返ってもそこには誰もいなかった
おかしいな?たしかに誰かに話しかけられたような……




『気のせい…?』

「んな訳ないでしょうが」

『Σうわあ!!』

「なんだよ。お化けに会ったみたいな顔をしてるな」

『だだだだだっていきなり目の前に現れたから…』

「ふーん」

「おーい。何してるんだ?」

「雷蔵っ!」




またどこからか人が現れた
顔がそっくりだけど双子かな?

胸のバッチに名前が…
双子の三郎と双子の雷蔵……




『そう双子なの。それじゃあね!』

「待って!普通ならお嬢さんの名前も教えてもらわないと」

『え?あぁ、私はアリスよ。それじゃあ通して』

「なんでさ」

『急いでるの』

「なんでよ」

『白ウサギさんを見失ったから』

「「ふーん」」

『もう、いいでしょ』

「なんで白ウサギを追いかけているの?」

『イケメンだから』

「アリスはイケメンだと追いかけるのか?」

『せめて名前だけでも知りたいから』

「白ウサギは白ウサギだろ?」

「あいつは止めといた方がいい」

『なんで?』

「アリスには関係の無いことさ」

「先を急いでいるんだろ?」




なんで、白ウサギさんを追いかけるのは止めといたほうがいいのかな?気になる…
私が『少しだけなら平気だから』と言うと双子はパァァアと顔を明るくして私を引っ張り、切り株の上に座らせた




「それでは」

『………』

「イケメンの悪の話」

「または、可哀想な女の子の話」

『………』

「あるところに……」




“双子の為になる話”
〜イケメンの悪。または可哀想な女の子の話〜


「やぁ」

「こんにちは」

「可愛いお嬢さんだね」

「まあ、お上手ね」

「本心さ」

「ふふ。あなたは?」

「私は白ウサギさ」

「そう、白ウサギさん」

「よかったら私と付き合ってくれません?」

「ええ是非」




そして可愛い女の子はイケメンと一緒にどこかへ行ってしまった

また、しばらくしてイケメンは他の女の子に話しかけ、また二人でどこかへ行ってしまった




「おしまい」

『あの、オチてません』

「大丈夫」

「そんじゃあ、この物語を持っていっといて」

「は、はい」

『この子は…』

「僕たちが作った物語を運んでくれたり整理してくれる子だよ」

「彦四郎です」

『…………ちょっと待って。作った物語?』





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