夢の世界へ

□8 パーティへようこそ
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『はあ、まったく…大きくなったり小さくなったりと、疲れたわ』

「やぁ、また会えたねぇ」

『え、その声…』




後ろを振り向くと、木に寄りかかっている男性をみつけた

たしか、この声は




『チェシャ猫、さん?』

「やだなぁー」




木から軽々と降りると私の前まで近寄ってきた
何かと思えば、そっと優しくわたしの頬に手を当て顔を近づけてきた




『…っ!』

「タカ丸、て呼んでって」

『ぁ、』

「わかったかいアリス。二度は言わないよ?」

『わ、わかったわタカ丸さん』

「ふふ。いいこ、いいこ」




ニコッと笑い、私から離れた
私は一歩下がりタカ丸さんに質問した




『私は一体どこへ行ったらいいのかしら…』

「えー?そんなの、アリスがどこへ行きたいかだよ」

『どこでも、いいわ』

「なら、質問する必要はないよ」

『え?』

「だって、どこへ行っても同じだもの」




ふふっ。と笑いながらジャンプして木にまた上った
そして、私を見下ろした

困った…私は白ウサギを探して名前だけでも、




「困った顔もそそるけどアリスには似合わないなぁ」

『?』

「よかったら、これをあげよう」




それは、一通の手紙だった
帽子とティーカップのシールが貼ってある赤い手紙




「僕への招待状だけど、アリスにあげる」

『いいの!?』

「うん。そこ、行き飽きたしね」

『……』

「チェシャ猫の代わりで来たとでも言っとけば参加できるから」




そんな、これはタカ丸さん宛に
でも本人が行かないと言うなら私が代わりとして行けばいいのね
しかし、なんの招待状なのかしら




『ねぇ、これは、あ!』




そこにはもう、タカ丸さんの姿はなかった




*****




『手紙によると、ここだけど…』




煙で何も見えない
しかし、人影が見える。あっちに言ってみよう…




『あのー…ぎゃっ!』

「おやまぁ。君は誰だい?」

『え、?』




落とし穴の中に人が!?




「どうしたんだい?」

『あ、これ!』

「それは、招待状だねぇ。三木ヱ門、滝夜叉丸。お客さんだよ」

「「きたか!」」

『!!?』




煙の中から二人の人が出てきて私の腕を引っ張ってゆく
な、なにごと!?どこへ!?




「さぁ。座って座って」

「お嬢さん紅茶はいかがです?」

『あ、どうも』

「さ、招待状を」

『あ、はい』




いい匂いな紅茶だな。なんだろうこれ
一口飲もうとしたが




「はぁぁぁああ!?」




私はビックリしてしまい紅茶が飲めなかった





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