夢の世界へ

□8 パーティへようこそ
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「これ、貴女宛ではないのですけど!」

「どれ、見せてみろ」

『あ、それは、その。私はタカ丸さんの代わりで来ました』

「代わり?」

「タカ丸さん、今回参加しないつもりかあ?」

「まったく。で、貴女、名前は?」

『アリスです』

「「!?」」




自分の名前を言ったとたんに二人の顔が変わった
そして、笑顔になる

な、なに?




「貴女があのアリスさんですか」

「アリスさんなら歓迎です!どうぞどうぞ!」

『へ?あ、はぁ」

「私は帽子屋の滝夜叉丸です。以後お見知りを」

「僕は三木ヱ門。先ほど落ちたところに居たのが眠りネズミの喜八郎です」

「ふぁぁ、よろしくね〜」

『よろしくお願いします。ところで、これはなんのパーティなの?』

「え?このパーティですか?このパーティはなんでもない日を祝う会パーティさ」




……え?
な、なんでもない日?
誕生日とかお祝いの席ではないの?




「まあ、簡単に言うと暇つぶしのお茶会だよ〜」

「さ、アリスさん紅茶をどうぞ!」

『えぇ、いただくわ』




一口飲もうとしたら、三木ヱ門くんに話しかけられたので手を止める




「アリスさんは今は何をしてるんですか?」

『白ウサギさんを探してるのよ』

「白ウサギさん。なんで探してるんですか?」

『私が草原で白ウサギさんを見つけて、そしたら落とし穴があって、そこに白ウサギさんが、』

「落とし穴!?」

「「喜八郎!?」」

「落とし穴!!」




喜八郎くんは眠っていた落とし穴から出てきて狂ったようにシャベルでそこらじゅうを掘ってゆく
な、何事!?なんでこんなことに




「き、喜八郎は落とし穴という単語を聞くと暴れ出すんです!」

「喜八郎!ほら!プリンだ!!」

「プリン!」

「ナイス滝夜叉丸」




プリンを持った滝夜叉丸に飛びつき幸せそうにプリンを頬張った
そして、食べ終わったと思ったら穴の中に入ってまた眠ってしまった




『まあ…』

「大変だ!時間が!時間が!」

『白ウサギさん!』

「時間がないなら僕のユリ子で飛ばしてあげましょう!いくぞ!」

「ま、まて!そんなことされても、て、うわぁぁぁ!!」

「ユリ子、ファイヤー!」

「うわぁぁぁぁ…」

『ちょ、白ウサギさぁん!!』




私は白ウサギさんを追いかけるべくお茶会を後に走り出した

後ろを振り返ると二人の姿は煙によって何も見えなくなっていた




煙に包まれるお茶会




このままだと、また白ウサギさんを見失ってしまう!
急がねば!!

それにしても、なんで私の事を知っている人がいるんだろ?
有名人にでも私、なったか?

てゆうか、紅茶一滴も飲めなかった





イカレ帽子屋→滝夜叉丸
イカレうさぎ→三木ヱ門
眠りネズミ→喜八郎
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