text 戯言

□こんな最後でも全く構わなかったのに
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※「匂宮出夢との人間関係読み返せないよ(切なすぎて)。こうだったら何回でも読み返すのにな」
というような、100%創作者の願望で作られています。
内容とかよく分からないところがあるかもしれません。
委員長の性格などを勝手に捏造しています。
原作がお好きな方・原作以外の道を知りたくないという方は回れ右。




















殺気を感じ。嫌な感じが増すのを感じ。身に覚えがある殺気を感じ。いや、身に覚えがないのほうが正しいのか。そんな殺気を感じ。教室にたどり着き扉を開け。室内が血の海で。肉の海で。3年間ともに歩んできたクラスメイトが虐殺され。虐殺され。虐殺され。虐殺されていて。教室の中心の、机の上。一人だけ虐殺されていない誰か。学校指定のセーラー服を着た誰かがいて。その誰かは血まみれで。肉まみれで。その誰かの腕は異様なまでに長くて。その異様に長い腕で俺の良く知るクラスの委員長の頭を抱いていて。その誰かは言うまでもなく匂宮出夢で。出夢は笑って。狂気の目で笑って。狂乱の表情で笑って。俺を見て、愉快そうに笑って。俺は状況が理解できなくて。ただ聞くことしかできなくて。教室の中に入って。後ろ手でドアを閉めて。クラスメイト達の身体を見て。それからまた質問で怒鳴って。それに対して出夢は笑って。そして突然怒号をあげて。椎名の頭を叩きつけて。狂ったように叫びだして。俺は応えられなくて。息をのんで。またあいつは笑って。苛立ちを隠そうともせず机を蹴り飛ばして。でも、言ってることはやっぱりわからなくて。

でも一つだけ、たった一つ。分かったことがあって。

これまでの付き合いの中で築いてきた絆が。それが断ち切られたことがわかって。絆が切れて。切られて。一方的に拒否されて。拒絶されて。新たな関係が結ばれようとしていて。初めて他人の気持ちが、出夢の気持ちだけは伝わってきて。本気で俺は怒って。
「殺して解して並べて揃えて晒して刻んで炒めて千切って潰して引き伸ばして刺して抉って剥がして断じて刳って貫いて壊して歪めて縊って曲げて転がして沈めて縛って犯して喰らって辱めてやんよ」
「俺にできること全部してやる」

そう言ったら嬉しそうにあいつは笑って。

「全部ってことは愛してもくれんだよな?」
「もちのろんだ」

そう応えたら出夢は俺に飛び掛かってきて。対して俺は叫んで。

「愛してんぜ、アホが!」
「こっちの台詞だ、ボケ!」

今までため込んでいたものを吐き出すかのように。すべてを吐き出すかのように。
それ故に。
だからこそ。
一片の迷いもなく。
悔いもなく。
情熱的に。
どんな言葉で表現してもどんな言葉で修飾しても表すことができないような情熱さで。
とにかく情熱的に。
俺たちは。




殺しあっ―――――――



















ガラガラガラッ!!

































は?





「すげぇ!とにかくすげぇ!」
「愛されてるねぇ!愛してるねぇ!」
「見せつけてくれんじゃん、このバカップルぅ!」
「びっくりしたぁ!本当に二人が殺しあっちゃうかと思った!」
「すげーよな!二人とも天才俳優と天才女優になれるぜ!」
「にしても出夢ちゃん羨ましいな!」
「そうそう!心の底から『愛してる』って言ってもらってた感じだったし!」
「にしてもこの小道具の完成度高いよな」
「私密かに汀目くん狙ってたんだけどな〜」
「止めとけって。あの二人の仲はもう誰にも裂けられないって」
「出夢ちゃんだけの呼び名もあったしね」
「人識、だっけ?そういうのいいよね」
「汀目くんって一人に執着しないタイプだと思ってたんだけどな」
「凄い親しげだし。こうやって見るとお似合いのカップルなんじゃない?」
「この前は学ランだったから不審に見えただけで、出夢ちゃん可愛いもんね」
「全く、こんな彼女もって汀目はいいよな」

「「「「「「「全く、この幸せ者がっ!!」」」」」」」





・・・・・。





「・・・・・・・何が何だか分かんねぇよ!!!」

そんな人識の声は誰にも届かなかった。




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