バクマン(長編Tサイドストーリー)

□文化祭
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「うーっス、おつかれ」

俺はいつものように新妻エイジの仕事場のドアを開け―

たまま、絶句して立ち止まってしまった。

な、な、な、なんだあ!?

俺の目の前にはいつもの光景がくりひろげられてるはずだった。すなわち、エイジが奇声を発しながら、ジャカジャカ常人ばなれしたスピードで原稿を描いているという―

なのに、今目の前にあるのは…

なんと女子高生だった。そろいの紺のミニスカートに、ブルーっぽいストライプのシャツ。大胆にさらされた生足が妙に目にまぶしい。

それも一人じゃない。ひい、ふう、みい、三人も!!

俺部屋まちがったっけ?

思わず回れ右してバックしかけたところに、聞きなれた声がした。

「あ、福田先生。さきに始めててください」

俺はエイジの声を聞いてわけもなくホッとした。どうやら異次元に迷い込んだわけじゃないらしい。

いや、ちょっと待て!

安心してる場合じゃないんじゃないか?ここが確かにエイジの部屋だってんなら…

なにやってんだ、エイジ!!!

いつから女子高生はべらすような男になったんだよ!!

俺は、実は目の前の少年も正真正銘の高校生なのだということを完全に失念していた。

相変わらず脳内議論を繰り広げ、固まったままの俺に再度エイジが声をかけた。

「福田先生?どうしたんです、さっきから」

心底不思議そうな声。

お前のせいだ、お前の!エイジは自分のせいだとは露ほども思わないらしい。
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