バクマン(長編Tサイドストーリー)

□修行開始!
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「おっしゃー、勝負だ!!」

「望むところです」

―これは決してポーカーの勝負ではない。

文化祭も無事終わって学校行事が一段落したある日、エイジくんの部屋に行ったら目の前で福田先生が、何やら紙の束をエイジに渡していたのである。

「え、な、何!?なにやってるの?」

びっくりして思わずどもってしまった。

「あ、結ちゃん!」

「おう、篠宮さん。これはだな、新妻くんとの勝負の2回戦なんだ」

と、福田先生が説明になっていない説明をしてくれた。

「…は!?あの、勝負って何の?」

福田先生とエイジを交互に見ながら尋ねた。

「福田先生のネームが面白いか面白くないか、です」

エイジが福田先生から渡された紙束に目を落としながら応えた。

「ネーム!?じゃあ、その紙束、福田先生のネームなんですか?」

「ああ」

「なんでそれをエイジくんが?」

「…以前空いた時間にここでネーム書いてたら新妻くんが覗き込んできて、一言『つまんないです』とのたまったのでね。新妻先生が面白いとおっしゃるネームを描いてさしあげようとだな」

「なにを言ってるんですか。絶対に僕をぎゃふんといわせるネームを描いてみせるとかいって勝負を挑んできたのは福田先生でしょう!」

「な、なるほど。でも、何だかんだ言って仲良しなんだね、二人とも」

「「は!?」」

なぜか二人の顔が微妙にひきつった。私、何か変なこと言ったかな?

「結ちゃん、日本語の使い方間違ってませんか」

「篠宮さん、誤解のないようにいっておくが、俺は新妻くんの部屋に遊びに来てるわけじゃなくて、一応仕事なんだけどな」

「え、でも福田先生、今日はホントは休みの日なんじゃ…」

そうなのだ。今日は原稿もあがってアシスタントが休みの日だったから来たのだから。

「うっ、…だが断じて遊びじゃないぞ。そうだ、漫画家の先生は弟子の面倒とかみたりするだろ?だから俺はそれにつきあってるわけで…」

「福田先生、言ってることがメチャクチャです」

いつも福田先生に突っ込まれてるエイジが、珍しく突っ込んでいる。

確かにそうだ。

しかし…漫画で勝負…ね。なんかあついな〜。さすが少年漫画家!
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