中編・短編


□飛んできた出会い
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空手部に入部して約2ヶ月が経ち、基礎の型や体づくりがメインだったのもあって三郎が力加減を覚えた。他の武道経験者ということで資質もあったと判断されたため、昇級挟んだら飛び級で緑帯からという快挙です。うん、空手って結構流派とか道場によって色々違うらしいけど、学生で部活だとなんか新鮮だ。剣道も合気道も稽古は通いだったから、学校で毎日体を動かせるというものはいいもので、休日も三郎と2人走り込みなうだった。

「んー土手ってやっぱり気持ちいいね!三郎!」

河原では野球少年が試合してたり、大人たちがサッカーの練習をしてたりと皆和気藹々の青春ムードだ。

「私はこういう開けた場にいると少々落ち着かないがな」

ジャージ姿がすっかり板についた三郎は、当たりを見回しながら「バレーボールは飛んでこないだろうな」と言った。七松先輩のようなひとが現代にいるとは思い難い。しかしそういえば、初めて渋谷有利くんと話したのは野球ボールを拾ってあげた事が始まりだったな、と思っていると、後ろから三郎に向かって飛んでくるボールがあった。彼の希望とは違う、サッカーボールだ。

「三郎、」

言わなくても気付いていただろう三郎は、軽やかに飛び上がりわざわざオーバーヘッドでミサイルのような一撃をゴールに叩き込んだ。…これで手加減してるんだもんな。七松先輩なら多分ボールが耐えらんないもんな。何とも言えない感じで三郎を見ていると、ボールの持ち主軍団であろう面々がやって来た。

「君!凄いな!その距離からオーバーヘッドでゴールを決めるなんて!」

わらわらと集まって来る人達はなんか素人さんではない匂いがする。三郎は何も言ってないけど、これあなたのシュートに感動して寄ってきた人だって分かってるのかな?

「サッカー歴は何年だ?是非ともプロに入ってほしいな」
「え、もしかしてあなた、ビッグ大阪の…!」
「お、彼女知ってるか?現役バリバリの比護選手だ!ノワールの頃からごくたまに練習付き合ってくれててな」

えええ!凄いな三郎、比護選手にプロ入り薦められたよ!とちょっと興奮していると、今まで黙ってた三郎がするりと私のお腹に手を回す。密着すると暑くないのかと思いつつ不思議に見上げると良い笑顔の三郎が。

「お誘いは有り難いですが、私今は空手に彼女で手一杯なので」
「ヒュー、熱いね!」
「ええ、彼女と一時でも離れられません」

ぎゅっとそのまま抱き締められたけど、この空気どうしてくれるんだという感じだ。冷やかしも効かないノロケとか苦痛でしかないでしょ。いや第一私三郎の彼女ではないんだけども。

「そうか…残念だな、気が向いたらいつでも言ってくれ」
「はは、将来の夢は彼女の隣に永久就職なので」

…それは三郎が私の嫁になるってことでいいのか?三郎よ。





***

11人目のストライカー見てから比護さん熱がやばいです!←
迷宮のフーリガン折角テレビでやってたのに後編見たの一回目見てからだったし、残念に思ったので映画もう一回見てきました。笑
と、いうわけでお礼二種はサッカー関連^^

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