06/13の日記

19:57
黒猫にリボンを(Dear主in黒の組織で小ネタ)
---------------

※原作に突入してる
※なんやかんやあってヒロインは安室さんとこに居る

ピスコから黒猫のぬいぐるみを貰った。キティの仲間だと笑って渡されたそれに、アイリッシュが首輪代わりに赤いリボンを結んでくれた。もうそれは過去の話。
長くなった黒髪にハサミを入れようとして、スコッチが髪を括ってくれた。話のネタに見せた黒猫とお揃いだと、赤いリボンで。それももう、心境的には遠い思い出。
大事なものは全部、小さな宝箱に収まった。ジンの家には置かず空きロッカーに入れていたそれを、バーボンの前でまで隠す気になれなかった。粗を探すために送り込まれた厄介な私を警戒しつつも受け入れてくれる、優しい人だからかもしれない。

「君にも少女趣味なところがあったんですね」

ぼんやり眺めていたそれを指摘されて、思わずぱちくりと瞬いた。

「普段着ている服とか、基本的に買ったヤツの趣味だろう」

補足されて納得した。クローゼットの中身で自分が選んだものは動きやすい作業着くらいしかなくて、あとは誰かさんたちの忘れ形見ばかりだったから。

「……このリボン、スコッチに貰ったの」

ピクリと空気が振動したけど、彼の様子を伺うことはしなかった。

「黒猫のぬいぐるみとお揃いだねって」
「……そうか」

強ばったような固い声に、バーボンが内面でどれだけの感情と叫びを押し込んでいるのか考えた。この家に来てから、バーボンのNOC疑惑は最早確信に変わったと言って良かったけれど、私は何もしなかった。スコッチに違和感を覚えながら、何もしなかったように。

「君に赤は似合わない」
「?」
「スコッチも見る目がないな」

嘲るような口調で、それでも泣きそうに歪んだ顔で吐き捨てられて、私は唐突に納得した。探り屋で秘密主義のバーボンが、私を追い出さなかった訳。あの雪の日に同じ光景を見た私達は、死んだ彼をただの組織の裏切り者として見なかった。亡き彼を悼むようにキスをしたのはそれくらいしか持ち帰れるものが無かったからだけど、あの時私は少しでも、バーボンの心に入る資格を得たのかもしれない。

「じゃあ何色が似合う?」

首をかしげた私に、珍しくバーボンが頭を撫でてくる。傍目からは微笑ましい触れ合いでも、双方ともに無表情。取り繕わなくていいこの部屋は、大分落ち着く空間になってしまった。送り込んだ方も意図していないだろうけど、スコッチが気にかけていたこの人が裏切り者で、もしも一緒に殺されることになっても、私は後悔しない気がした。

「…………桜、かな」

今度こそ目を見開いて驚いた私に、バーボンが怪訝な顔をする。

「さくら、」
「ピンクの濃くない、白混じりの色が似合うと思うよ。染井吉野みたいな」

意図せず私の本名を当てた彼は、そんなことには気付きもしないで夕飯作りに取り掛かった。その後ろ姿をぼんやり見ながら、久々に呼ばれた名前が心臓を撃ち抜いた気になってそっと胸に手をやる。もしも固有名詞として呼ばれたなら、キティの仮面が剥がれてしまうな、と思った。私は彼の偽名しか知らないのに、それは悔しいな、とも。

「…………厄介なことに、なったかなあ」

嫌じゃない自分が、一番困るという意味で。


+++

翌日桜色のリボンを買ってきてくれる安室さん。赤色のものは例えスコッチの贈り物でも目に入れたくない、ってネタを書きたかった。別に降谷さん色にまで嫌悪感示さないと思うけどね?一応ね?(笑)この話だとアイリッシュ死んじゃってるけど、もしも原作沿い書くならピスコ亡き後ジンに闘争心剥き出しのアイリッシュを危ぶんでなんとかヒロインが生存ルート模索してくれないかなって思ってる。
ボスに長期休暇もらって、怪盗キッドに弟子入りしてなんとか変装術を学ぶとかね、とんでもネタを練るよね。東都タワーから息も絶え絶えなアイリッシュ抱えて空飛んで、彼に変装施しつつ別人として生きてもらう妄想。生存がバレてないか確認するためにもヒロインは組織にいる。みたいな。ただ基本的にキティなDear主は無気力感の塊というか流されるままの刹那主義な面が強いから何らかの外的要因がないと難しいかもな。寺井ちゃんに瀕死のとこ拾われるとか。
でもそのルートだと思いっきりキッド夢になる気がする。悩ましい!
全然別口で茂木探偵と絡ませたかったりするから子猫ちゃん汎用性高い。IFネタたのちい。

前へ|次へ

コメントを書く
日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ