04/09の日記

22:14
呪術ネタ五条()夢
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 世の中には、普通の人には見えない「呪い」というものが存在する。両親からその話を聞いたとき、私の感想は「まさかのじゅじゅつかいせん?!」であった。ハイ、画面の向こうのあなた早かった。そう転生です。うちの家系は大筋を辿ればわりと古き良き血筋だそうで、250年に1度くらい呪霊に対し何らかの特効を持ったURを排出するらしい。ガチャかな?

「貴女がそうだとは思わなかったから普通に育ててきちゃったけど、向こうの方が見初めてくださってね! 是非ともってお話しいただいたのよ〜〜」

 ほわほわしている母親は娘をシンデレラガールだと思っているかもしれない平和具合なのだが、娘は死亡フラグしか抱いていません。だってじゅじゅつ界って前世で聞き齧った分だけでも大概クソなのだが。ほぼ二次創作の受動喫煙しかしていない私ですらこの認識。

「ちなみにお相手のお名前とかお聞きして宜しいのでしょうか……」
「うふふふふ、とーっても有名なおうちなのよ! 五条さん!」

 ア"ー!!!!!!!!!!!


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 まあ内心がどれだけ荒ぶろうと、拒否権など示すことすら出来ずにお見合い会場で正座しております。お話しいただいてから一週間しか経っていないというのに、用意された豪華な和室は細部の装飾含め素晴らしかった。この日のために仕立てられたという振り袖の柄は鶴に桜である。こんな席でなかったら惚れ惚れしただろうな。そしてゴジョサト夢ではあるあるなのか知らんが、お時間になっても現れないお相手である。これこのまますっぽかされるやつでは?いつの間にか籍だけ入れられて夫には会ったこともないふりゃれ夢みたいになるやつでは??私は詳しいんだ。足とか帯とかちょっと緩めて良いか迷い始めた頃、パタパタと軽い足音がやってきた。体重を感じさせないくらいの質量で、廊下を駆けるこの音、我が耳を疑った。聞き覚えがあったから。

「ッどうだ! 驚いたか!」

 スパーンと障子を裂くように登場した人物は、こちらに向けて第二声を放つ。「すまん授業が長引いた」銀にも見える白髪に、変わらぬ金の瞳を抱く姿は、学ランの非常に似合う中学生であった。

「お待たせしておきながら年相応にはしゃいでしまい申し訳ない、五条国永だ。ようやく相見える機会をいただいたというのに、一張羅に着替える時間も持てなかった。己が不甲斐ないが、縁談を申し込んだ気持ちに嘘偽りは一切ない。そしてどうか、お嬢さんにこの真心を伝えるためにも、若人二人で場を抜けさせていただきたい」

 言うが早いかその少年は私の腕をとり、いつもそうしていたかのように慣れた手付きで立ち上がらせた。まあこのまま座っていたらあと十分も経たずして足が痺れて来ただろうから、助かるは助かるのだけど。

「……鶴丸?」

 向かった先のこれまた風情のある庭園で、ポツリと溢れるように呼び掛けた言葉は、やんわりと捕まれていた掌の力を強くさせた。前を歩いていた彼は振り向きながら、くしゃりと泣き出しそうな顔で笑う。

「──ああ。ずっときみに、そう呼ばれたかった」





×××

お久しぶりです。旬のジャンルがあると、そのジャンルにお邪魔しながら特にそこのキャラとは絡まないクロスオーバー夢を書くことに定評のある湊です!
花粉でハイパー生きにくいですが無事です。当社比で珍しい鶴丸夢を書いたのは、この「お見合い相手ゴジョサトかと思った? 五条は五条でも鶴丸でしたー! 驚いたかー!」という出落ち小説を書きたかったからです。出落ちなので細かい設定は全然練ってないです!(にっかり)
ほんとは自家発電じゃなくて読みたかったんですけど、私の探し方が下手くそなのかこのパターンのクロスオーバー出てこなかった。どっかにありそう!でも書けて満足!
鶴丸夢は巷に溢れすぎていて自分で栽培しなくてもいいかなしてしまうタイプのキャラなので、書かれている珍しさに戦力拡充中鶴丸がドロップして「き、きみ?! 珍しく俺の夢を書いているな?!」って言ってくる幻聴を聞きました。\驚いたか?/

以下文字に入ってない補足情報
・夢主は元審神者パワーで呪いを寄せ付けない体質→呪霊と出会さないので見えないと思われてた
・鶴丸は前から夢主を知っていたけど精通しないと婚約まで漕ぎ着けなかったので前々から手回しし用意周到に外堀を埋めてた
・ここはハッピーな鶴さに時空なのでとくに火の粉は被らない
・湊の推しは七海健人

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