11/06の日記

20:05
休暇。面白い(腐ネタSSあり)
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穏やか貴族〜(漫画)の方で知りまして、原作はまだ読み途中なんですが大層ハマってます。ジルとリゼルの呼吸するようないちゃいちゃ(語弊)が心臓にクる。ウッ……みんなだいすきリゼルさん。
プラトニックも最高だけどそれはそれとして恋愛も見たくて二次創作と同時進行で読んでいるせいでますます腐視点が止まらない。アレッあのいちゃいちゃ原作じゃなかったっけ……()
実家のような安心感のあるジルリゼを推してるんですがスタッドくんがすきなので続くネタはスタリゼスタです。ちゅーしかしてない。
支部に放り投げようか迷いましたが持っているのが夢垢なので今のところ自重している。自サイトはなにやっても許される(暴論)



※原作はアスタルニア到着あたりまで既読
※特にどの時期とかは考えてない
※夢小説ではありません
※プラトニックから事故と弾みで逸脱した感じのBLです
※お口にあったら僕と握手!




 迷宮っぽくない中身を引き当てることに定評のあるリゼルが今回見つけたのは、控えめな装飾が施された上品な宝箱だった。その繊細な美しさからは、いっそ入れ物の方を持って帰っても価値が付きそうだと読み取れる。宝箱も迷宮の一部であると認識され、地面から剥がれないのは検証済みだが。

「俺が開けてもいいですか?」
「もちろん!」
「好きにしろ」

 素材回収を含めた討伐依頼のついでに、今日は三人で迷宮に潜っている。一歩引いて見守っているジルと、中に何が入っているのか覗き込む気満々のイレヴンは、自然体でいながら中身に危険がないか警戒も怠っていない。ついつい二人には甘えてしまうなと自覚しながら、リゼルは気負わず箱を開ける。中に入っていたのは、入れ物と同じような作りの、小さな宝箱だった。

「箱の中に箱?」

 リーダーそれも開けてみてよ、首をかしげた後続けたイレヴンに頷いて掌サイズの箱を開けるも、中は空だった。さらに小さい箱が入っていたら摘まむのに苦労しただろうから、その点は助かった。

「ちょっと借りるね」

 蓋を開け閉めしたり蓋の裏側を探ったり、底を押してみたりひっくり返したり空中で透かそうとしてみたり、イレヴンは仕掛けを探したが特に何の変哲もない普通の箱だった。

「小物入れになりそうだね」

 ハイ、と安全を確認の上で返されたそれに、ふむ、とリゼルは頷いて自分の荷物に収納した。言葉にせずとも次の階層へと移動しながら、横に並んだイレヴンが笑う。

「綺麗だし高く売れそうだね? リーダー」
「どうしようかな」

 迷宮品を頻繁に売る方ではない自覚があるリゼルは含んだように言いつつ、既にその箱を渡したい相手の顔が浮かんでいた。この間お昼を一緒に食べた時、スタッドが通りの雑貨屋で小物入れをじっと見ていたのを思い出したのだ。



「お疲れ様です。こちら報酬となります」

 依頼達成の報告と共にやって来たギルドで、今日もスタッドはリゼル専任の顔をして窓口に座っていた。渡された報酬をしまいつつ、空間魔法の施されたそこから手を抜き様にリゼルは戦利品である小さな箱を取り出す。

「鑑定希望ですか?」

 じっと見詰められた目に、にこりと微笑むと意図を悟ったスタッドが防音の魔法具を机に置く。滑らかなやり取りは流石だと、こっそり二人に注目していた周りは思った。夫婦か?

「プライベートな話で申し訳ないんですが、スタッドくんにプレゼントしたくて」
「私に、?」
「この間、小物入れを探していたみたいなので。まだ良いものが見つかってなかったらぜひ」

 休みの日に渡すのが筋だろうが、見た瞬間スタッドのことを思い出したのでなるべく早くプレゼントしたくなったのだ。勿論賄賂と思われないよう、防音の中で二人とも表情は変えていない。

「……ありがとうございます。とても嬉しいです」

 衆人環視の中でなければもっと目に見えて喜んでくれただろうなあと思いつつも、分かりにくく滲み出るスタッドの機嫌の良さは好ましかった。丁寧な手付きで触れられた箱は、さも簡易鑑定目的のように開かれる。次の瞬間、音が消えた。

「!」
「?」

 ピリッと警戒したスタッドと、落ち着いて周囲を見回すリゼルは夜空のような空間にいた。上下左右を星に囲まれ、美しい光景だな、と思いつつ伸ばした手は途中で透明な壁に阻まれる。

「これ、閉じ込められてますかね?」

 凹凸ひとつない滑らかな壁が、上下左右前後にただ出現している。何処までも広がっていそうな空間なのに移動することは出来ないらしい。ノックで響く音は鈍く、壁の厚みと密度が高いことが伺える。どうやら二人は透明な直方体の狭い空間の中にいるようだった。立っている分には平気だが、二人座るほどのスペースはない。

「スタッドくん武器は持ってますか?」
「仕込んでた分も無くなってます」
「俺も銃が出せなくなってます」

 丸腰か、と顎に手を当てたまま考えたリゼルは、とりあえずスタッドを巻き込んでしまったことについて謝罪した。

「ジャッジくんに視てもらってから来れば良かった。俺とイレヴンが開けた時は何も起こらなかったから」
「攻略者や発見者たちに発動しない品もありますから、気にしないでください」

 スタッドは正直、世界にたった二人きりのような空間に警戒しつつも喜びを感じていた。自由を謳歌している彼が好きなので、このまま閉じ込められていたいとは思わないが。

「脱出の手がかりはその小さな宝箱の中かな?」
「どうでしょうn」

 最後のね、は言葉にならなかった。掌の箱を開けた瞬間、スタッドが声も忘れて閉じたからだ。

「スタッドくん?」

 目に写った文字は網膜に焼き付いていた。再確認するまでもない。だが一度閉めると文字が変わるとかないだろうか。なかった。

「俺が開けても良い?」

 リゼルがこてん、と首を傾けると柔らかな髪が揺れる。スタッドは美しいな、と現実逃避しつつこくりと頷いてリゼルの掌に小さな箱を渡す。もはや口から音は出ない。開ける人によって中の文字が変わったりしないだろうか。

「一緒ですか?」

 しなかった。上品な金色の文字は、箱の内側に"キス"とだけ刻んでいる。目を伏せながらまた首肯し、最初に開けた人間によってこのお題めいた文字が変わるのだとしたらどうしようとスタッドはぐるぐる思考する。憧れで済まない自身の内側の感情を揺さぶられているようで、情けなさに胃の腑がぐるぐると気持ち悪く動く。顔すらあげられなかったのに、ついで響く音はどこまでも優しかった。

「嫌だったら止めてね」

 ふふ、と柔らかく漏れ出た声は、スタッドに対する好意を少しも損なっていない。持ち上げられた手の甲に、まるで騎士が忠誠を誓うような口付けが落とされる。スタッドのマイナス思考は完全に停止した。
 周囲に変化がないかをきょろりと見回してから、リゼルは固まっているスタッドの頬に手を添えた。ピクッと反応した体は、それでも拒絶を見受けられない。

「っ、」

 ぎゅっと瞑られた目の下、頬にそっと唇を触れさせる。なんら変化がないので、やはり対唇のキスでないとダメそうだ。ディープを要求されたらどうしようかなあとリゼルはのんびり考える。

「あ、の」
「うん?」

 薄く頬が染まったスタッドは、今までに見たことのない顔をしていた。今までにないやり取りで生まれてしまった表情なので、当たり前だとは思うが。

「私は……あなたを、傷付けたくないです」
「大丈夫、俺はそこまで柔じゃないので」

 どちらかというとスタッドの方が大丈夫ではない気がする。思いながらも、用意された脱出への道を進む以外に方法はない。
 これがスタッドのファーストキスだったら不憫だなあと考えながら、きゅっと結ばれ上向いた薄い唇に啄むようなキスをおくった。



 音が消えるのが一瞬だったように、喧騒が戻るのも一瞬だった。振り返ってリゼルが壁際で待機していた二人を見ると、片方は分かりやすく、もう片方は分かりにくく怪訝な顔をする。反応からして外側から何が起こったのかの感知は出来ていなさそうだ。リゼルでさえ、目の前に座るスタッドの耳が赤くなければ白昼夢を見たのかと錯覚しそうだった。

「どうしましょう。開けられない箱は置物にしかなりませんね」
「いえ、十分嬉しいです」
「スタッドくんが一人の時にどうにかなっても俺が心配なので、事故で開かないようにちょっと結びますね」

 プレゼント包装用に活躍するリボンは多種多様揃っていた。適当な一本を結びながら、赤みの引いてきた耳に囁く。

「要求がエスカレートするのか興味が出た場合は、呼んでください」

 ピシリと固まったスタッドを微笑ましく見守りながら、リゼルは可能な限り責任は取ろう、と胸に刻んだ。





◆◇◆

鉄面皮で好きな人にだけ懐くとか、元暗殺者とか好きすぎる要素しかないスタッドくん。多分外見でいうなら今のところ一番好き。
出られない部屋とか何番煎じでもいいから読みたいよね!というわけで書いてしまった。迷宮も迷宮品もなんでもありでありがとう。
リゼルさんは透明な箱の中でこっそり掌を傷付けてるしその外傷が脱出後継続しなかったのでまた入ってもいいよと口にしましたが、たぶんスタッドが再び箱を開くことはない。箱を開かず進展するかが肝ですね!()
創作が捗ってしまうわこの沼。審神者リゼルさんと刀剣男士ジルとかも見たい。(世迷い言)



☆コメント☆
[戒] 11-07 06:14 削除
お久しぶりです
穏やか貴族(の休暇のすすめ。/ここまで検索窓に入れたら 候補として出てきました)
紹介 ピッコマへのリンク 特設サイト なろう…とあり
漫画版がピッコマで連載が公開されてるそうなので
漫画版の 第二話(2)まで読んできましたぁああ
やることの規模が 世間一般人とずれてるぅうううう←感想
まだスタッド君はちょろっとしか出てきてませんが 
続きがとても楽しみですわこれ… (・∀・)ニヤリ
そして、(小説家に)なろうのタイトルが
『休暇だと思って楽しみます。(書籍版「穏やか貴族の休暇のすすめ。」)』
となってたので そちらも 読み始める前に スマホ(今年の2月にスマホデビューですw)のSafariで お気に入りにぶちこんで
序でにホーム画面にもリンクをはっつけちゃいましたよw
ピクシブもですけども。
続きが気になるなろう作品が増えて困ってしまうわー(口元にやけてんぞ)
データのバックアップが2/25位を最後にゲームも入れすぎて 一度本体の容量が あばばばばして Auショップに電話かけーの アップルに予約してもらいーの
エイプリルフールに休みの父親と妹引きずって(いや運転はワシじゃないから表現は合わぬ…)銀座のアップルまで行って カバーの貼った画面とケース以外
全部取っ替えになったことだけは… (アカウント連携出来ないアプリのデータ引き継ぎやら 写真やらビデオが吹っ飛んだことが主に)辛かった…
という よくわからない近況を書きなぐって 逃げます=3

[湊] 11-07 10:45 削除
お久しぶりです!!
タイトル略してしまい不親切でしたね。戒さんのお蔭で迷える子羊が減りました()
やはり常連さんは私と性癖が一致しているので絶対好きだと思ったんですよ〜〜!!スタッドくんかあいいのでぜひお楽しみください!!w
私もなろう積ん読してますけど休暇。は早く読み進めたいのです公式ショタ化があると聞いて……ウッショタコンの血が騒ぐ……

スマホデビューおめでとうございます!笑
容量かつかつだとオタク生きにくいですよね。携帯寿命の前後は果てしなくバタバタする〜〜分かる〜〜。機種変の度リズムゲームがやりやすい大きさとフォルム、容量の大きさを求めております。いうて今そこまでリズムゲー出来てないけど。
戒さんがお元気で安心しました。コメントありがとうございます!

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