散る前に。私のこの手で咲いておくれ・・・

□悪戯? それとも? ・下
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敏感な内股をリクオの足が器用に擦る。欲が湧く、あからさまな触れ方に鴆の体は跳ねた。
羞恥と興奮で肌を火照らす鴆に猥りがましく笑いかけるのに、決して野卑に見えないのは端整な顔立ちの所為か。
「何笑ってん!?」
食らいつくように口を塞がれ。初めから濃厚に絡む口づけに、言葉も奪われた。
咀嚼でもしているかのような口腔では、上顎を舌先で擽られる。舌で快楽を探りながら、舌を吸われ、舌を含まされる。

舌の柔らかさに、腰が疼き息があがる。
リクオの手が脇腹から腰を撫で、更に下に降り。熱い掌で裾を割り、熱で肌を侵す。リクオに乱された裾は、舐めるように鴆の肌を滑った。
「悪戯っていやぁ・・・なぁ、鴆。
 今日はハロウィーンだぜ?」
「はぁ?」
「トリック オア トリート」
「・・・んだよ、それ?」
「まぁ。どっちでも・・・
 するこたぁひとつだ」
やがて臀部に這い、その奥に忍び込む指先。潜んだ蕾を刺激され、望んでいたはずなのに鴆は思わず、息を飲み身体を竦ませた。
昨日今日、枕を交わしたわけでもない。蕾はまだ硬く閉じている。

鴆の赤い唇を割り、舌と唾液を絡ませた指。濡れた指が再び肌を滑り、奥の蕾に辿りついた。
むず痒い刺激が与えられ、耳元で名を囁かれ背がしなる。
「ふっ、あ・・・」
「してぇんだろ?
 すぐに此処、満足させてやる」
強請るように、無意識のままリクオの腰へと足を絡めてくる媚態を、リクオは言葉で煽り。
同時に脈打つリクオの昂りを握らされ、鴆は小さく咽喉を鳴らした。
月光は今や鴆の顔に差し、それをリクオが見つめている。唇。喉仏。鎖骨。鴆がそうしたのを知っているかのように、リクオの視線が、触れる。

リクオが頬を擦り寄せ、甘い息を吐く鴆の髪をゆっくりと梳いた。
空に浮かぶは欠けた月。まるで黒猫が金色の目を細めて笑っているよう。鴆の瞳が熱を帯びてうっとりと・・・月のように猫のように細められた。
不意にリクオの吐息が肌を掠め、唇が首筋に落ち、肌が粟立つ。
鴆が甘く走る痺れに小さく震えたのを、夜気の所為と思ったか、リクオは障子に手をかけ。

小さな音と共に、一筋の光は消え、ふたりは闇に沈む。



悪戯が嫌なら、お菓子を頂戴。



悪戯にかえってきたのは、身も心も蕩かせる、甘い甘い・・・




 Happy Halloween!! 
 

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