DREAM

□紫陽花
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「ねーねー ナマエ」

学校が終わり、帰る準備をしていたら
シグが話しかけてきた。

「どうしたの?シグ」

「一緒に遊ぼー」

「いいよ^^*」

「わーい」

シグのアンテナ、もとい髪の毛が
ふよふよと動いている。
本当に嬉しく思っているっぽい。

「で。なにするの?」

とりあえず私はシグについていっていたが、
何をするのかを聞いてなかった。

「あのねー ナマエに見せたいものがあるんだー」

「見せたいもの?」

「コレ」

学校から歩くこと、10分。
とある森を抜けると あたり一面に
紫陽花の花が咲いていた。

「わーv 綺麗…」

「前に、ムシ追っかけてたら、この場所を見つけたんだー
ナマエ、紫陽花見たいって言ってたから。 ハイドレンジアだよー」

「覚えてくれてたんだ…
ありがとうっ! すっごく嬉しい」

「あとー、ナマエと一緒に探したいものがあるー」

「探したいもの?」

「うん。 "紫色"の紫陽花」

紫色の紫陽花って確か… 授業でやったけ?
このプリンプの特殊な地質で、ごくまれに
赤か青にしか染まらない紫陽花が、紫になるとか。

よっぽど運がないと見れないからか、
男女でその紫色の紫陽花を見ることができたら
二人はずっと一緒にいられるというジンクスが
あるとか、なんとかをアミティに力説されたような…

「でも意外だね。」

「なにがー?」

「シグって、こういうジンクスとか興味なさそうなのに。」

「う〜ん… そんなことはないよー
気になるから紫色のハイドレンジア見たいんだもん。
それに見るんだったら、ナマエと一緒にみたい。
叶うかどうかはわからないけど。叶えばいいなーって。
僕、ずっとナマエと一緒にいたいもん。」

「うっ///」 そんな改まって言われると恥ずかしいかも…

「もしかして、ダメ? 僕と見るのはヤダ?」

小首をかしげながら、こちらをのぞきこむ。
そんな悲しそうな顔しないでよ;

「イヤなわけないじゃん… むしろシグじゃなきゃイヤだし…」

"そんなジンクスがなくとも、一緒にいるつもり"
って思ってるけど… 言わないほうがいいかな。
たまにジンクスをやってみるのも、悪くはないもんね。

「ほら、シグっ 暗くなる前に見つけたちゃおう」

「おー」

〜4時間後〜

「うー… やっぱり見つからないね…」

こんなに探してるのに未だに見つからない…

「まだだ〜」

シグはまだ諦めてないようだ。

「おっ? 青い蝶だ… 綺麗ー」

「えっ! 蝶どこー?」

「あの紫陽花に止まったよ…て… あれ?
あ!! あの紫陽花、紫色じゃない!?」

「あ、本当だ… やったーナマエ」

ギューっ

「わわっ シグ///」

「これからも一緒にいようね。ナマエ!」

−END−

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