DREAM

□僕じゃなくなる前に
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最近よく夢を見る…

僕の前でナマエが泣いている夢。
ところどころ怪我をしていて・・・
泣かないで。といっても、止まってくれなくて…
手を伸ばしても届かなくて…
そして僕のを去ろうとするナマエ

待って!!ナマエ!!!

そのときに必ず割り込んでくるやつ…
僕によく似た、"黒い少年"

「キミハイツカ ジブンノタイセツナモノヲ
ソノ ノロワレタウデ デ
コワスコトニナルヨ…」

その黒い少年は僕の腕を指差す。

「呪われた…?」

答えが返ってくるとは、限らなかったが思わず聞き返していた。

「ソウ ソノウデ… イヤ、 キミノカラダニハ ヒトデハナイ チガナガレテイル
デモ、ソノモノニ キミノカラダハ ワタサナイヨ。
ダッテ ソノカラダハ ボクノモノダモン…
キミトボクハ "イッシンドウタイ" 
デモ ボクハ ジユウニナリタインダ…
タトエ キミヲ コロシテモ…ッ」

がばっ

ここで夢は途切れ、目が覚めてしまった。
嫌な汗が頬を伝う…

「うへー? あの夢… もう一人の僕?
…ッ 頭痛い…」

『ワスレルナ キミハ キミジャナクナルヨ
ソノカラダハ スベテ ボクノモノニ ナルノダカラ』

「!?」

頭の中に夢で出てきた少年の声が響く。

「うるさいよ…っ 僕の体は…僕の体」

苦しい… 目の前に黒い影が見える…

「おちつけー カブトムシー クワガター…
顔洗おう…」

鏡を見ると、黒い影はまだあって
振り向くとそこには何もない…

「アト サンジュウニチノ ユウヨ ヲ アゲルヨ
サンジュウニチゴ キミハ イナクナル
キミノ カラダハ ドンドン ボクノ
イロニ ソマッテユクヨ…」

「!!」

「コレハ モウ キマッタコトナンダヨ 」

昨日は眠れなかった。僕が僕でなくなる…?
イヤだ… まだしたいことたくさんあるのに…

「おっはよー♪ シグ」

「あ ナマエ」

「どうしたの? 今日なんか元気なくない?」

「…でっかい虫に逃げられた」

つい嘘をついてしまった。
一番大切な人を心配させたくなかったから

「大丈夫だって! また見つかるよ!」

「うん。ありがとう」

どうすればいいんだろう

あと30日… もうどうしようもないのだとしたら…

僕は…
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