DREAM

□狂気
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目の前に横たわっている愛しいナマエ…
儚い笑顔で笑うナマエは赤く…紅く染まっている

「私は…き…みの… みか…た…だよ
クルーク…は…わる…くな…い」
そう言い、いつもと同じ笑顔をするナマエ

その笑顔が大好きで大好きで…
ただ見て入れられるだけでとっても幸せだった。でも、君が僕を受け入れてくれて
君は僕のものになった。
だから尚更許せなかったんだ。
君の…ナマエのその笑顔が僕以外の他人に向けられるのが
誰にも優しいナマエだけど… 君は僕だけのものなのに…

許せなかった。他の誰かが君に触れるのを
許せなかった。君の目に僕じゃない誰かが映るのが。

許せなかったんだ…

愛しくて愛しくて愛しくて… ある日から芽生えた憎しみ
そして感じたんだ。僕じゃ僕でなくなると

ナマエの言葉などには構わず、白いナマエの肌を紅く染めてゆく。幾度も刃を突きつける。
抑えるものがなくなった紅はただただ溢れ出る

「なんでナマエは抵抗しないの?殺されたっていいってゆうのかい?」

「きみに…なら、殺さ…れて…も…いいかな…って
だって…きみが…だいすき…だ…から」

最後にみたことのない笑顔をしたナマエは僕の胸倉を掴むと、僕の唇に口付けをした。

「あ…りが…と…う」

そして君の瞳から輝きが失われる

「…っナマエ…?」

我に返ったところでもう遅い。
辺りは赤、赤、赤… 血の香りがむせ返る

「ぼ…くは…っ」

紅く染まった両手を見つめ、恐怖から身体が震えだす。
どうしてこんなことになってしまったんだ…
僕はただっナマエを愛していただけのはずなのに… 殺してしまった…自らの…この手で

「ごめんなさい… ごめんなさいごめんなさいっ!!!」

両目から溢れ出る雫。
いくら泣いて謝ったところでもう答えなど返ってくるはずもない

紅く染まったナマエを抱きしめる

「ナマエが大好きだった。
なのにいつからかこの気持ちが憎しみに変わって…
どうして…なん…でっ こんな…こ…とに…
ーっ うわああああああああああああああああああああああああ」

自分の叫び声が静寂なこの部屋に響き渡る
抱きしめたナマエの温もりは消えかかっていて…
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