DREAM
□Let's try剣玉!!?
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「まぐろくんって本当に剣玉上手いよね。」
「ん?そうかな★」
まぐろくんはあははと少し嬉しそうに微笑みを顔に浮かべる。
今の時間は部活の時間である。りんごちゃんもりす先輩も委員会の関係で遅れるらしく
この場には私とまぐろくんしかいない。まぐろくんが剣玉で技をきめていたため、私はそれを眺めていた。
「十分上手いと思うよ?私なんて全然できないもん。」
「ん〜…★ よかったらナマエちゃんもやってみる?」
「え?」
そういってまぐろくんは私にずいっと剣玉を私に差し出す。
「だ、だから私できないって…」
「できないと思うからできないんだよ★ 大丈夫★ 僕が教えてあげるよ。」
そういうとにかっとまぐろくんは笑う。
「うーむ…」
「まずはこう…だよ★」
そういって私の前で解説しながら実践してくれている。
「…ってかんじ★どうかな★」
丁寧な説明であることもあって…とっても申し訳ないが…
「なるほど。わからん!」
「ナマエちゃんもキッパリ言うよね…★」
まぐろくんは少し困ったように笑うと、私に剣玉を持たせる。
「まずはこう★」
「っ!!?///」
私は素直に剣玉を持ったのだが、後ろからまぐろくんにその腕を掴まれる。
ちっちちちちち近いって… 息がっ 身体がああああっ
「で、手をこう返して…」
そういいながらまぐろくんの手と共に私の手も同じ動きをする。
その動きから、まぐろくんの口元が私の耳に近づき無駄にまぐろくんの声が脳髄に響く。
この状況をどうしろとっ…
「ナマエちゃん。一歩踏み出して★」
「…?ナマエちゃん???」
心臓が高鳴っていることもあり、まぐろくんのレッスンが全然頭に入ってこない。
それゆえにまぐろくんの言葉も私に届かない…
「おーい。ナマエちゃん★」
いつまでたっても無反応だった私を心配に思ったのか、横からにゅっと顔を出す。
「きゃっ!!?///」
ちらっと覗いたまぐろくんの素顔が目に入り、なお顔が赤く紅潮する。驚きのあまり私は剣玉を持っているほうの手を
ぶんっと振ってしまった。剣玉に繋がった玉はひゅんっと浮かび、まぐろくんの顔にダイレクトアタック。
部室にゴッという音が響く。
「っ〜…痛い…かな★」
まぐろくんはしゃがみこんで顔面を押さえて痛みに悶絶をしている。
「わっ!!?ごめっ 大丈夫…」
まぐろくんに走って駆け寄る。…本日二度目のゴッという音が響く
「いだっ」
重力により、その剣玉の玉は今度は私の顔面にダイレクトアタックしてきた。
「っ〜〜〜〜 いったあい…」
思った以上の痛さに私までもがしゃがみこんでおでこを押さえる。
「ぷっ」
「まぐろくん?」
「あはは★」
まぐろくんはとっても楽しそうに笑う。私も思わずそれにつられ一緒に笑う。
痛い・・・けどこれはこれでおもしろい…かな。
「ナマエちゃんこそ大丈夫?」
そういってまぐろくんは立ち上がると私に手を差し伸べた。
「大丈夫だよ… てか、思った以上に剣玉って痛いんだね」
私は素直に手を掴むと笑うまぐろくんと目が合う。
「やっぱりまぐろくんといるのは楽しいや!」
「そりゃどうも★ あ。そういえば、さっき顔真っ赤だったよね?」
「え…あっ 熱かっただけだからね!」
「ふうん★」
そういってニヤニヤしながらこっちを見る。さっきのを見られたと思うと恥ずかしさがこみ上げてくる。
「それに百面相もしてたし★…もしかして、僕が近くてドキドキした?」
「みゅっ…///」
図星を付かれてしまい、反論しようにも反論できない。 ただただ顔が紅潮していくばかりだ。
「反論しないってことは、自惚れてもいいのかな★」
にこっと笑うと、私を後ろから抱きしめる。そして私の反応を伺うかのようにこちらを覗きこんでくる。
「ナマエちゃん?」
まぐろくんは私に再度問いかける。
「…っ///」
私は真っ赤な顔を見られたくないこともあり両手で顔を覆いいつつ、コクンと頷く。
「もう…ナマエちゃん可愛すぎっ」
そういってぎゅ〜っと抱きしめる力を強くする。
「大好きだよ」
と私の耳元に囁いた。君はどれだけ心臓を壊そうとすれば気が済むのだ!
「まぐろくんの意地悪…」
大好きだよ。
-End-
2012.3/4