べるぜバブBL、NL小説

□きみみたい。
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今日は雨の日だった。



「あ、」



不意に呟く俺。というか声が出た



「なんだ男鹿。どーした?」



隣で傘をさしながら歩いている古市が不思議そうな目で見つめてくる
俺の視線の先には、雨に濡れる、猫。




真っ白で、きれいで、雨に濡れてきらきらしてて、こいつはまるで――







「お前、猫好きだったっけ?ありえねぇなー」



立ち止まって、傘を古市に渡して
雨に塗れている猫をぎこちなく持ち上げる俺。
古市はなんか失礼な事を言っているが
それは本当なのかもしれない

天下の不良高校生が猫を好いているなんて、な。


「いや、好きっていうか、気になっただけだけど」


そう、ただ気になっただけなのだ
そこまで好きなわけでもない
かと言って嫌いなけでもないが



「なんで?雨に濡れてたから?」

「んー・・・そうかもな」


自分でもわからないのだ
聞かれても困る。

たぶんそうなんだと思い、そう返事しておく。


「つーか野良猫なのにおとなしいなー・・・弱ってるのかな?」


確かに、こいつは小さくて震えてて、きっと雨に濡れて弱ってたんだろう


「・・・連れてくか」

「まじか」

「古市の家に行くぞ」

「なんで俺ん家・・・?」

「いいだろ、どーせ下校途中だし、いくぞ」

「・・・ったく。へいへい」



なんだかんだで俺の言うことを聞いてくれる古市
というか、この返事を確信して言ったことだ。
ずっと一緒にいれば、どういう返事をしてくれるかくらいわかりきってる

とりあえず古市の部屋に行って電機ストーブもってきてあったまる事にする


「最近寒いもんなー、猫も大変だなー」

「そーだな」

生返事をしながら濡れてる猫をタオルでわしゃわしゃ拭いていく。



「それにしても可愛いなーこの猫」

「古市、にやにやしてきもいぞ」

「なんだよ、お前がつれてきたくせに」



古市は猫を抱きかかえてにやにやしている
猫はあったまって元気になったのか古市の腕の中でにゃあにゃあないている


「おー元気になったかー猫ちゃん可愛いなーあ、名前つけたらどうだっ?」

「あー・・・そうだな」


古市は子供に戻ったみたいにはしゃいでいる
それほど猫が可愛いのだろう
確かに、可愛いと俺も思う。

でも猫より古市が可愛いとか言ったら殴られそうなので言わない(まぁ古市に殴られたところで痛くも痒くもないのだが)


「名前なにがいいかなー白いから白とか?」

「ネーミングセンスねぇなお前、それじゃ犬みてぇだぞ」

「うるせーよ!じゃあお前はなんか案あんのかよ」

「ん?名前か、ゆきとか?」

「え、何お前、男鹿のくせに」

「なんだ古市殴られたいか」

「由来は?」

「あ?由来?」

「なんでゆき?」

「あー?うん・・・なんでって・・・なんでだろ、まぁ、なんとなく?」

「は??なんだそれ」



だって本当になんとなくだしな




「まぁ、あえていうなら・・・」

「ん?なになにっ?」


古市は興味津々のようだ
何故こんなに気になるのか





「・・・は??」


俺は古市を指差した
意味がわからないというように首をかしげる古市

間抜け面しやがって
古市アーホアーホ


「今失礼な事考えてるだろ・・・つーか、なに?」

「ん、だから、由来」

「は??」



そうだ、名前の由来
拾った理由
なんとなくだと思ってたけど
本当は理由があったのだ



「お前だよ、古市」

「へ?俺??・・・あ!もしかして、たかゆきのゆき・・とか?」

「そのとーりだ古市君」

「なんじゃそりゃ、なんで俺なんだよ」

「だって、その猫、お前みたいじゃん」

「え?なんで??」

「白い、銀色の毛、古市の髪の毛とそっくり」

「は・・・はぁ、まぁ確かに同じ色か??」

「それに、雨に濡れてきらきら光ってて、同じ」

「・・・・・」


古市は無言になりだす




「弱くて、ほっとけなくて、可愛くて、守ってあげたくて、」

「・・・・・・・・」

「ほら、お前とそっくりだろ?」

「は・・・・・ばっかじゃねぇの」

「古市には言われたくない」



「・・・だから、拾ったのかよ、俺に似てたから・・・?」


「あぁ、そうだよ、お前みたいなのがほっとけないんだよ、古市」




古市は、猫みたいに可愛い



ゆきは、古市みたいにきれい









「ばか男鹿・・・・/////」





そう、この猫はまるで、君みたい。







END





おまけ。




結局古市と俺になついたゆきは
元気になってもたまに古市の家にくるようになった。



「ゆき、またきたのかー!えさやるぞー♪」

「俺にも構え古市」

「・・・・」




「ゆきって男鹿がいるとくるよなーなんでだろ?」

「やっぱ古市に似てるな」

「・・・・・」




「ゆき可愛いなー♪」

「あー古市みたいで可愛いなー」


「・・・・・お前、恥ずかしい奴だな」

「ゆきは古市の生まれ変わりなんじゃねぇのか?」

「いやいや、俺死んでねぇし;;つーか男鹿だって何考えてるかわかんない自由気ままな黒猫みたいじゃんか」

「・・・古市、「あ、いや、なんでもないっ!」(変なこといっちゃったかな俺・・・っ)




「・・・・黒猫・・ねぇ」








黒猫と白猫か・・・

いいんじゃねーの?






おわり。




ただ猫を可愛がる男鹿と古市かいてみたかった
古市みたいな猫が好きすぎてやばい男鹿さんやばい←

古市は男鹿に甘い((


とにかく可愛い古市と
可愛い古市を可愛がる男鹿が大好き

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