べるぜバブBL、NL小説

□男鹿誕!!
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※男鹿さんが可愛めなのでふるおが表記ですが、古市も可愛めなのでおがふるっぽいような気もする。つまりはどっちも可愛めなのでリバっぽいです。それでも良いぜ!って方はどうぞ^^


********







「男鹿ぁ!!起きろ!!」
大声でズカズカと俺の部屋に入ってきて、安眠妨害するのは一体誰だ?
ヒルダはこんなにやかましくはないだろうし、姉貴なら俺の事は名前で呼ぶだろう
だとしたら、あとは、幼馴染みの古市以外には思い当たらないが…
そう、ぼんやりと、寝惚けた頭で考えていると、気持ちよく寝ていた俺の事なんて気にせず、起きろ起きろといつも以上に煩く起こしてくる古市。

「うるさい…」
と布団に潜りながら言うと
「いいから起きろって」
と布団を引っペがされた

今日は土曜日じゃなかったか…?
まだ少しふわふわしてる意識で考えたがやはり学校ではないはずだ
だからもう少し寝かせろと、布団を被ろうとしたが、止められてしまった。

「ほら、着替えて、行くぞ!」
「……は?」

俺は古市の目的も分からないまま、寝ぼけながらも古市に言われるがまま着替える。
一体なんなんだと、聞こうと思ったが古市は着替えを済ませた俺の手を引いて、玄関へと向かった
頭はまだぼーっとしていた


*****


「おい、いきなり連れ出してなんなんだよ」
外に出て歩いていくうち、やっと頭がすっきりしてきた俺は、古市にやっと聞きたいことを聞けた
「何って言われても」
だが古市の返答は曖昧。
一体何を考えているのか。

「まぁ、とりあえず、どっか行きたい場所はないか?」
「はあ?」
いきなり何も言わず連れ出したと思えば、今度は行きたい場所はないか?って、おかしいだろ!
それならもう少し寝ていたかった。
…だが、古市は返答に期待しているのか、少し笑ってこちらを見つめている
ここで、寝かせろ、と言った所で古市の笑顔が消えるだけだ。
何を考えてるのかわからないが、まぁ、ここは付き合ってやるか、と思った。なんとなく。

「えーと、じゃあ…………」
だが、俺には行きたい場所は思い当たらなかった

「?思いつかない?んー、じゃあいいや」
古市はそう言うと、少し考えてから、こっち、と俺の手を引く
俺が行きたい場所がないなら、古市の行きたい場所に行くって事か?
…なんというか、こいつの考えがここまで読めないのは初めてかもしれないとさえ思った。


*****


「到着!」
「…?」
ここら辺は人通りが多く、カラオケやら飲食店やら、色々な店が並んでいる場所。
そこそこ歩かないと来られないので普段はあまり来ないが…ここへ用事があったのだろうか?

「よーしまずはあの店!」
「?!」
古市は俺の手をグイッと引いて、並んでいる店の一つに入る。
まず、ということは他の店にも行くのだろうか?

「男鹿、確かこの前このゲームほしいって言ってなかったか?」
「え?あ、あぁ、言った」
「ん、そっか、」
そう言うと古市は、そのゲームを持ってレジへ行った。
そして、会計を済ませたゲームを俺に渡す。
「…何?」
「あげる」
「は?!」
え?なんで?俺古市に買えなんて一言も言ってないよな?
「まぁまぁ、いいから!」
当の古市は満面の笑みで、本当に謎だ。

「よーし次!」
そう言うと古市は、また俺の手を引いて店を出るのだった。


******


「おい古市、そろそろ何考えてんのか教えろよ」
結局あの後も何件か店を周り、俺に欲しいものはないかと聞き色々買ってくれたのだが、その意図は謎のままだった。
「んー?日頃の感謝だよ」
そう言って笑う古市
感謝って、俺は古市にそんな大層な事をしただろうか
もししていたとしても、こんなに色々買ってもらうとさすがの俺でも、なんかアレだ。

「でもさ、楽しかったじゃん?カラオケなんて、普段行かないし!」
古市は、本当に楽しそうに笑った。
確かに、こんなに二人で色々な店を回ったのは、初めてかもしれない。
「そうだな…楽しかった」
そう言って、古市の方を見ると、古市はきょとんとした顔でこっちを見ていた。
「…?」
何だよ?という意味で、じっと古市の目を見つめたら、なんか知らんが古市は、ぼっ、と顔を赤くした

「どうした?」
「はぇ?!な、なんでもねーよ!!?//」
どう見てもなんでもないわけないような反応を示す古市
「…なぁ、本当に、今日のお前変だぞ?熱でもあるんじゃねーの?」
古市の額を触ってみる
熱い
…大丈夫かこいつ?

「お…お前のせいだよ……ばか//」
古市はそう言って目をそらす
俺の、せい?
「古市、俺のせいで風邪引いたのか?!」
「ち、違う!!そーゆー事じゃなくてだな!?」
古市はあたふたと喚いている
「じゃ、じゃあなんだよ!」
「お前が…!」
「…?」

「お前が、いきなり笑ったから……、」
そう言って俯く古市
「あんな笑顔、珍しいなー…って、」
古市の顔はまだ真っ赤だ
「なんで珍しいからって赤くなるんだよ」
「だ、だから、お前の笑顔が……なんか、可愛くて…だな、//」
「…は、はぁ?!//」
な、何こいつ馬鹿な事言ってんだ?!
かわいい?俺の笑顔が?あほか!!?
「なわけねーだろあほか!!変な事言うな!!///」
「だってほんとに可愛かったんだ仕方ない!!///」
なんだこれ、めっちゃ恥ずかしい

「なあ、男鹿…俺、お前の事……」
古市は俺の目をじっと見て、ゆっくりと言葉を口にする
なんだろう
もしかしてこれって
古市が、言葉の続きを声に出そうとした、瞬間
「古市ー!!何やってんのよ!」
いつの間に、どこから来たのかラミアの声
「もう時間過ぎてる!!」
ラミアは怒ったように古市に怒鳴りつけている
時間?なんの事だ?
「あ、ああ、悪い」
そう言うと古市は、ラミアに小さい声で何かを言った
言われたラミアはまた何処かへ行ってしまった
一体何を話していたのか聞こうとすると
「男鹿、行くぞ」
と古市は俺の手を引いた

さっきのラミアとの会話もそうだが、さっきの、あの台詞の、続き…………なんて言おうとしたんだろう
少しだけ何かに期待していた自分がいた
自分のことなのに、それもよくわからなかった。
俺は、古市に手を引かれるまま歩く

いつの間にか見慣れた道を歩いていた俺たち
この方向は……普通に家じゃねえの?帰るのか?
なんとなく、黙ったままの古市に話しかけづらかったから、俺も黙っていた。


*****


「よし、ついた」
そう言って見上げた先は……家だ。普通に。
「早く入れよ?」
そう言って俺の背中を押す古市
普通に後ろに立っているし別れの言葉もないということは泊まるのだろうか?
「お、おう…?」
戸惑いながらも俺は玄関の扉に手をかけ、扉を開けた。

瞬間
パーンッ
というでかい音が響いた

「?!!」
俺は驚いて、思わず後ろによろけた
すると後ろにいた古市が俺を支えた…らしい
それは、確かめる間もなく、また次の音が響いたからだった


「誕生日おめでとう!!!」


玄関の先には、クラッカーを持った家族がいた
さっきのでかい音はクラッカーの音だったらしい
「誕生日…?」
俺は、ぽかーんとしながら、間抜けな声でそう言った
「忘れてただろ」
クスクスと俺の後ろで笑う古市
はっきり言って、完全に忘れていた



つまりは、今日は俺の誕生日だから祝うことにしたが、普通に祝うんじゃつまらんからサプライズしよーみたいな?

「俺は男鹿を外に連れ出す役だったんだよ」
そう、古市はにっこりと笑う
だから曖昧な返事ばっかしてたのか
「もー、古市が時間忘れて全然来ないから心配したんだから」
ひょこっと、またどこから現れたのかラミアが頬を膨らまして怒っている
「ごめんごめん」
古市は軽く謝りラミアの頭を撫で、それを振り払うラミア
さっきのラミアとの会話は、さっさと家に戻ってこいというものだったらしい

「ほら、さっさと中入んな!」
そう姉貴に急かされ、古市に背中を押され、居間の扉を開ける
そこには見慣れた奴等が勢ぞろいしていた

「な、なんでこんなにいんだよ?!」
「声かけたら集まってくれた」
古市は笑いながら俺の背中を押す
すると、邦枝がおめでとう、とおずおずと何かを手渡してくる
「…?」
「プレゼントよ、誕生日プレゼント!//」
「え、あ、あぁ、サンキュー」
きょとん、と邦枝を見つめると目をそらされた

「よう、めでてえな、特別に俺からもプレゼントをやろう」
そう、ドヤ顔でヨーグルッチを渡してきた神崎
「男鹿、何がほしいか言ってみろ、なんでも買ってやるよ」
これまたドヤ顔で言ってくる姫川
「男鹿誕生日なのか!おめでとう!!」
なんて言ってきたのは東条
次々と意外な人物からのプレゼントやらおめでとうなんていう言葉
俺はもうなにがなんだか

「よかったじゃん」
そう言って、俺の隣に立つ古市
「………」
こんなに大勢に祝われるのは初めてだから
なんとも言えない気分だった
「…どうした?」
「べ、別に、なんでもねーよ!」
「あ、嬉しいのか」
「…っ」
にこっと笑った古市に、図星をつかれたからか、心臓がドキリと鳴る
「おめでと」
そう言って俺の頭をガシガシと撫でた古市に、俺は誰に祝われた時よりも嬉しいと感じた
「………っ」
俺は古市に何かを言おうとした、のだがそれは
「ほら、ケーキ食べよー!」
という姉貴の言葉で遮られた
自分でも何を言おうとしたのかは、わからなかった


*****



誕生日パーティーは盛り上がり、無事に終わった
俺たちはみんなを見送り、そして居間を片付けようとしたのだが、「あんたはせっかくの誕生日なんだから片付けなんてしなくていいわよ」とお袋が言うので部屋に戻った

「楽しかったなあ、今日は」
古市は笑いながら、ベッドを背にして床に座る
古市は今日は泊まっていくらしい
まぁ、俺としても、せっかくの誕生日だし古市と一緒にいたいなと……ん?
「…どうした男鹿?」
古市は俺が、変な顔してるとへらへら笑っている
古市と一緒にいたいな?なんで?
いや、え、うん…あれ?
なんだか自分の中に計り知れない感情が渦巻いているのに気づいた

古市と一緒にいると楽しいのは当たり前で
古市に祝ってもらうのが一番嬉しくて
みんなにもらったプレゼントの中でも古市にもらったものが何より嬉しくて
古市が何よりも一番だった

そして、ずっと、古市を見ていると心臓がバクバクしていた

「…なんて言おうとしたんだ?あの時」

あの、言葉の続きがずっと気になっていた
何かに期待していた自分がいて
その期待がなんなのか、なんとなくわかってきた
俺は……………


「好きだよって」


古市は、いつもの冗談を言う時みたいな顔してそう言った
でも俺は冗談なんじゃないかと思うよりも先に何故か
嬉しいと思ってしまった

「……………あ、」
何かに気がついたようにハッと目を見開く古市
「…………いや、その…///」
そして今度は、顔を真っ赤に染めた
古市はさっきの言葉をうっかり口に出して言ってしまっていたようだ
「ごめ…っ//」
古市は泣きそうな顔をした
もしかして言うつもりなかったのか?

「男鹿、あの、今のは「古市!」
俺は古市の目を見て、言葉を遮る
これ以上言わせたら冗談だと言われるのではと思った
「もっかい…」
「え?」
「もう一回言え……」
真剣に古市の目を見る
すると古市は息を飲み、真剣に俺の目を見た

「…男鹿、俺、お前の事好きみたいだ」
ゆっくりと、そう言った。

「…………」
「お、男鹿?!//」
「俺も、好き、だ」
俺は思わず古市に抱きついた
古市はわたわたとしながらも抱きしめ返してくれた


「男鹿、生まれてきてくれてありがとう、大好きだぞ//」
にぃーっと、顔を赤くしながら俺の頭を撫でる古市
「ありがとう…俺も大好きだ//」
色々恥ずかしくて古市の目を見れなくなって、俯いてボソッとそう言った



生まれてきてくれてありがとう、
その古市の言葉が本当に、何よりも嬉しくて



「これからも、ずっと一緒にいろよな!」
俺は、にぃーっと笑って古市の頭を撫でた
「当たり前だ」
古市は笑って、俺の頬に、キスをした

「…っ!?///」
「顔真っ赤//」
「お前もな!//」




最高の誕生日だな、と思った。





ずっとずっと、一緒にいよう
(それが一番の、何よりの幸せ)


end




男鹿たんんんんんんんんおめでとおおおおおおおお
遅刻してごめんなさい!!!!
マジ大好きです!!!

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