べるぜバブBL、NL小説
□俺の言うことを聞きなさい!!
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※メイド服な男鹿さんがいます。
男鹿誕生日ネタと繋がってたり
「男鹿ぁぁ!!メイド服だ!!」
意味不明な台詞を吐き、バンッと大きな音を立ててドアを開け部屋に入ってきたドヤ顔の古市の顔を見た男鹿は、もう肌寒くなってきた時期にも関わらず舐めていたアイスを口から外し、「は?」と言った。
そりゃ意味不明な台詞を吐きながら、しかもドヤ顔され片手には怪しい紙袋を持ってる奴にまともに掛ける言葉などあるはずもない。
たまたま部屋に居合わせたヒルダなどは、男鹿の勉強机の椅子に座りながら、古市の事をいつも以上に蔑んだ目で見下ろしている。
そんな二人の視線など気にしないかのように平然と男鹿の部屋のベッドの上に座る古市。
そして、
「とりあえず、ヒルダさん!ちょっと席外して貰えますか?」
爽やかな笑顔でそう言う古市。
「…何故だ」
さすがのヒルダも、いつもと少し雰囲気、というかテンションというか、が違う古市を見て引気味になりながらも理由を聞く。
「うーん、まぁ、いいじゃないですか!男鹿と二人で大事な話があるんですよー!」
やはり爽やかな笑顔で言う古市。
いつもなら古市の言うことなど聞かないヒルダだが今日の古市の雰囲気に押されたのか、ただキモかったのか、素直に立ち上がり、男鹿の背中で眠たそうにしているベル坊を抱き抱え、一階のリビングへ向かう。
その去り際、古市の持ってきた紙袋を見て、何か気づいたらしいヒルダは、古市にこれまでにない蔑んだ視線を送って部屋を出ていった。
「なんかあいつ、すっげー古市の事睨んでたぞ」
てか視線が痛かった…?そう言いながら男鹿は古市に何をしに来たのかを訪ねる。
「最初の台詞といい、いったいなんなんだ?」
その問いに古市は、
「今日はなんの日でしょうか」
質問に質問で返した。
「は?今日?今日って…あ、誕生日か」
「正解!今日は俺の誕生日だ!」
「祝ってほしいのか?」
「そりゃまぁ、当たり前だろ」
「?」
「その前にな…?」
古市はニコーっと爽やかな笑顔で喋っている
それが男鹿にはわからなかった
だっていつもはこんなにニコニコしながらなんて喋らないからだ。
今日の古市はちょっと、怖い、うん。
同時に男鹿は、こいつはロクな事考えてねぇなと考える。
そしてそんな男鹿に古市は、お前がお前の誕生日にやったのが悪いんだ、などと益々意味不明の事を言い出している。
「俺の誕生日?なんかしたっけ?…あ!」
ふとひらめいた、俺の誕生日に古市にしたこと。
「もしかして…まだ恨みでも…」
「あるね、ありありだ!あの裸エプロンはない!非常識!」
そう、男鹿は自分の誕生日の時に、誕生日だからという理由で古市に裸エプロンという古市にとってはすごく羞恥プレイな格好をさせたのだ。
「でもお前だって結構楽しんd「ないっ!ないないないっっっ!!!!!」
ぐぐーっと男鹿に顔を近づけ、訴える。
「俺はお前の誕生日だから言うこと聞いてやったよな」
「あ…あぁ…」
「そして今日は俺の誕生日だ!これが意味する事は1つ!…わかるよな」
「あー…」
なんとなく、わかった、古市の言いたいことは。
だから冒頭の台詞か、と男鹿にしては早い納得だった。
「つまりは男鹿!俺の誕生日だ、俺の言うことを聞け!」
古市は、ドヤ顔で、楽しそうな顔でその台詞を言った。
****
「おがー!終ったかー?」
やけに軽い調子で、今は閉じられている男鹿の部屋のドアの向こうに呼び掛ける
「うーん…一応できた…けどよくわかんねぇ」
その台詞を聞き、ドアをばーんっと開けるとそこにはメイド服を着た男鹿がいた
「これとかどこにつけんだよ?てか足すーすーするんだけど」
「これは頭のやつだろ、つか足を広げるな!」
「あー…つかこれで楽しいのか、お前」
そう言って少し呆れた目で古市を見る男鹿は、メイド服を着ているというのにも関わらずやけに冷静というか、普通だ。
「…なんだよ、もっと恥じらえよ」
これじゃあ裸エプロンの仕返しにならんだろ
という古市だが、そもそも男鹿はいつぞやの魔界のナース服を着ても全く恥じらわなかった奴だ。
こいつにとってはナースもメイドも変わらないんじゃないだろうか
「恥じらうって、なにをだよ?」
全く動じない男鹿に古市は
「俺の時はさんざん恥じらわせてくれたくせに理不尽だ…理不尽…」
などと言いながら俯いている
そんな古市に男鹿は
「つーかお前が恥じらうんだから可愛いんだろ」
俺が恥じらってお前は喜ぶのか、きもいだけだろ
などと言っている
「まぁ確かにお前が恥じらってても可愛くはないかも…てか想像できない、顔赤くするのも想像できない…」
まぁ、そりゃあ男鹿は天下の不良高校生で、弱音だって吐かないし泣きもしないものな。
「……これじゃあ理不尽だぁぁぁ」
うわぁぁぁんと泣き出す古市に男鹿は
「あー、俺がお前の言うこと聞けばいいんだろ?聞くから泣くなっつーの」
と、呆れたように言う。
さすがに泣かれてはどうしようもないし(まぁマジ泣きではないだろうが)
何より古市の泣き顔にやられた男鹿だった。
「ほ…ほんとか?」
涙をためながら、上目遣いで見上げてくる古市を見て男鹿は「ふ…っ?!」と言葉になりきらなかった言葉を出し、少し赤くなった。
「あっ!男鹿が赤くなった!なんかよくわかんないけどっ!勝った!」
何が勝ちなのかよくわからないが、何故か男鹿が赤くなった事に喜んでいる古市
「ん?でもなんで赤くなってんの??」
頭に「?」を浮かばせる古市に男鹿は
あぁ、いろんな意味で仕返しになったかもな
と思った。
****
「んで、俺は何をすればいいんだよ」
こうなれば、古市の言うことを素直に聞いてあげないとな
と普段の男鹿ならあまり考えられない思考を巡らせていた
「うーん、そーだな…手始めにジュースでも持ってきてもらおうかな」
ああ、今の言葉で素直に聞いてあげようという思考がぶち壊れた気がする
「お前は俺にこの格好で部屋から出て台所に行けと言うのか」
今日は男鹿家の家族が全員いる日のはずだ
今日はどこへ出かけるとも言っていなかったし
たぶん家族全員リビングにいるだろう
すなわち、もし男鹿がこの格好でジュースをついでこようものならば、家族全員にもれなくこのメイド服を見られることになるだろう
「いいじゃん、恥ずかしくないんだろ」
「いや、姉貴に見られたらどうすんだよ」
別に恥ずかしいわけではないが、姉貴が俺のメイド服姿を見たりしたら……たぶん笑い転げて写メ撮って一生笑い者にされるだろう
「いいじゃん!」
「姉貴の反応考えてみろ!無理だって!」
姉貴に見られるのだけは絶対避けたい
…いや、できれば親父にもだ…また変な誤解されそうだし
「…言うこと聞いてくれるって言ったじゃん」
「い…いやっ…でも…」
やべぇ、こいつ本気だ…
そのくせ涙目上目遣いって!
わざとか!わざとなのか!
「おがぁ〜」
古市の目はうるうるしていてまじで泣きそうな顔だ
…わざとじゃねぇだろうな…
いや、でも可愛い…
「ーーっ!あーっもうわかったよ!ジュースな!///」
「うんっ!」
その時の古市の笑顔は、本当に天使でした。
****
「ほれ、ジュースだ」
「よーしよろしい」
さっきの天使の笑顔とは違う、ニヤニヤした笑いに戻ってしまった古市
結局ジュースをつぎに行った男鹿は、なんとか美咲がいない隙を狙おうと頑張ったのだが、運の悪い事に、ジュースをついでるときに丁度台所で鉢合わせてしまった。
美咲は台所で笑い転げ、家族を呼び、写メを撮り、予想通りな行動をされた
男鹿父には変な誤解をされたかもしれない(あの親父の事だから絶対された)
ちなみにヒルダはベル坊の目を隠し、ゴミを見るような目でこちらを見ていたらしい
まったく、ひどい目にあった…がまぁ滅多に拝めない天使の笑顔が見れたので満足だがな
「つーか男鹿さ、メイドなんだから敬語で話せよ!」
「えーめんどくさ」
「命令!言うこと聞く!」
「…はいはい」
まぁ、今日は言うこと聞いてやるって言ったのだから、もう少し付き合ってやるか
だが敬語はまじで慣れてないからな
「あー…なんて言えばいいんだよ?」
「敬語使えって!てかなんてってそんなの…」
うーんと少し考えたような仕草をして
「お帰りなさいませご主人様♪」
にぱーっと笑ってそう言った
「…とかやればいいんじゃないか?つっても、お前にはできないか」
顔がひきつるもんな
ぷっと吹き出し口を押さえている古市
だが男鹿から反応がない、何故だ?
「おーい、おがー?」
男鹿はまだ何も言わないでつったっている
ちなみに何故かぷるぷるしている
なんか震えてる…?
そんな嫌だったのか?!
「お、おがー言わんくていいから泣くなー」
「な…泣いてねえ!///」
「だからなんで顔赤いの?!」
「………」
古市のメイドさん笑顔にやられたとは言えねぇ…
これでメイド服を古市が着てれば…
「襲うのに」
「え、なに?なんか言った??」
やべぇ、口に出てた、と男鹿は自分の口を手で塞ぐ
「なんでもない」
男鹿がそういうと古市は、ふーん?といって男鹿が持ってきたジュースをジュコーっと飲んでいる
「うーん、もう5時半かー」
「ん?そーだな」
古市は時計を見て、あと6時間半…と呟いている
そういえば、古市が来たのが3時半くらいだったから、もう2時間も立つのか、と思った
「あの…今日泊まってっていい?」
「は…あ…あぁ、別にいいけど」
ちょっとびっくりした、そりゃいつも気まぐれで泊まっていくけど、そうじゃなくて、古市がジュースを飲みながら俺の方を上目遣いで見上げてきたのにびっくりした。
あぁ、やばい…襲いたい
いいかな…いいよな…言うこと十分聞いてやったよな…うん、そーだ!これ以上我慢できるか!
さっきからいい加減、たくさん古市の可愛い姿を見すぎて色々我慢できなくなった男鹿は古市をベッドに押し倒そうと古市に近づいた…のだが
「そーだ!男鹿!ゲームしよう!」
古市がそう言っていきなり立ち上がったので、男鹿の行動は遮られてしまった
「……う…そーだな…」
また目を輝かせた古市を見てしまい、言うことを聞くことにした。
言うこと聞かないとまた泣きそうだし
「つかなんでメイド服着てまでゲームやらなきゃいけないんだよ…」
「うー、いいじゃん!な!」
時間無駄にしたくないし!
そう言って古市はゲームをひっぱりだしている
はぁ、まぁ、古市の誕生日だしな…
そういって男鹿もゲームの準備を手伝った。
*****
「なぁ…」
「ん?なんだ?」
結局あのあと、6時半までゲームをして、古市の誕生日だから、ちょっとしたケーキやらのご馳走をみんなで食べて、またゲームを始めて、いつの間にか11時だった。
ちなみに夕飯を食べるときにもメイド服のままだった
そのときは最早気にもしてなかった男鹿と面白くてご飯食べれないと笑っていた美咲
古市も楽しそうにしていてなによりだった
「あのさ…えっと…その…」
何か言いたげにもじもじしている古市に男鹿は可愛いと思いながら頭に?マークを浮かべる
そこでふと、古市の誕生日なのに、言うことは聞いてあげたが、俺から直接祝いのプレゼントなどはあげていなかったことに気が付いた
古市も俺には別にプレゼントなんてくれてないし、古市も別にいらないのかと思って深く考えていなかったが…
「プレゼント…ほしいのか?」
「え…っ」
図星なのかなんなのか、古市は少し驚いた顔をした
「うーん…プレゼントっていうか…その…キ…」
「キ?」
全然察してくれない男鹿に少し怒り、
もじもじしながら古市は、目をきゅっと瞑って
「キスしろっつってんの!!///」
と言った。
そんな古市らしからぬ台詞に男鹿は、言葉にならない声をあげて固まっている
「た…誕生日…だし…その…プレゼント…みたいなの…を…///」
「な…//」
最終的には二人して赤くなり固まっている
そして男鹿は、はっと意識を戻す
「古市…」
「…///」
「そんなの……誕生日じゃなくたってしてやる
よ…」
そういって古市の唇に、ちゅ、と軽いリップ音をたててキスをする
「うん…//」
「なんだよお前、仕返しとか言って、祝ってほしかったんじゃねぇかよ」
「わ…悪いかっ!///」
古市はポカポカと男鹿を殴り、顔を赤くしている
そんな古市をまた、可愛いと思う。
こんな古市の誕生日を祝えるなんて、幸せだな
そういえば、古市は誕生日に俺の家なんて来て、自分の家で誕生日パーティーでもしなくていいのかと思った。
でもきっと、古市が誕生日に一番そばにいたいのが俺だとか、自惚れじゃないけど、そうとっていいんだよな、古市。
まぁ、俺も誕生日には古市と一緒にいたいし、同じか。
そう思って、俺は古市にもう一度キスをした
「生まれてきてくれてありがとな、古市」
end
おまけ
「てかなんでメイド服なんだよ?」
「だってナースは見たし?なんとなく」
「むしろ古市に着てほしかった」
「えー」
「ネコ耳メイドとかナースとか」
「なにおまえネコ耳萌えに目覚めてんの」
「古市かわいいかなって思って」
「目覚め方絶対間違ってる」
あとがき
なんかまとめられなくなった
ただの会話文になった…いつものことか
だれか小説の書き方教えてくれ
何はともあれ古市誕生日おめでとー!
生まれてきてくれてありがとう古市
末長く男鹿とお幸せに(*^^*)←
2011/11/11(金)