短編2

□百年かけても口説いてやる
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「俺の彼女になれ」

「は?」



これがわたしと彼の初めての会話でした。



「だから彼女になれ」

「話が突然すぎてついていけないんだけど…っていうか君初等部の子よね」


廊下を歩いていたら突然、本当に突然目が合った瞬間の第一声が俺の彼女になれ。

なんだこのマセたガキ…しかもやたらイケメンだし。あれでしょ、イケメンだから許される行為ってやつでしょ

ひっかからないから!私は顔がイケメンだからって付き合わないから!



「っていうか君、名前は?」

「…日向棗」

「棗くんね、っていうか君教室に戻らないと授業始まっちゃうよ?」

「別にいい」



この子あれだよね、ちょっと優しくすると子供扱いするんじゃねえ!って怒る感じの子だよね

いかにも自立してそうだし。まあ、この学園に入った時点で自立はするんだけど…

なんで彼女?あれか、好きな女の子に嫉妬してほしいのか。なるほどな!



「別にそういうのじゃねーよ」

「えっ!?」



え、なんなの!?あの子読心術のアリスの子なの!?

え?なになに。顔に出てるって?あらやだ恥ずかしい。って違うよ!



「じゃあなに?」

「お前が好きだから」

「は…?いやいやありえないから!」

「覚えてねえのか」

「な、なにを?」



棗くんとは今日知りあったばっかりのはずだ。だって名前だって知らなかったんだし。

人助けでもした時に助けたとか?私いっつも人助けという名のおせっかいしてるからなあ…



「………付き合え」

「(なんで命令式なんだろう…)」



ぼーと棗くんを眺めていたら突然棗くんが舌打ちをして私の手を取り、手の甲に口ずけをした

男の子とほとんど関わらなく免疫がない私がそんなことされてしまえば顔は真っ赤になるわけで

そんな真っ赤の林檎ちゃんに変身した私を棗くんは妖艶に笑って一言



「俺がお前を幸せにする」

「……きゅん」



あ、負けた。




百年かけても口説いてやる

 (ベタに)(その笑顔に一目惚れしたんです)

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