短編3

□かくれんぼ
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双熾くんは卑怯者だ。

いつも笑って誤魔化して、わたしを騙して、何事もなかったようにわたしの隣で笑う

双熾くんに卑怯者って言っても双熾くんはただ困ったように自嘲気味に笑うんだ



「そうしくん」



返事はない



「…そうしくん」



静寂



「どこにいったの?」



双熾くんがいつもひっついてたのにここ最近全然見当たらないの

野ばらちゃんもカルタちゃんも凛々蝶ちゃんも。

寂しいよ双熾くん。こんなときいつも慰めてくれたのは双熾くんでしょ?慰めて



「どうして、いないの?」



どこを見てもいないの。

横を見ても前を見ても、斜め後ろを見ても双熾くんがいないの

どこを探しても誰もいないの



「かくれんぼはもうおしまいにしようよ。見つからないのは嫌だよ」



まだ探してないところはあったかな?


――もういいかい?


わたしは知らないよ。なんにも知らない



「もういいよねじゃあ振り向くよ」



双熾くん。双熾くん。嘘つきで卑怯者の双熾くん。



「せーの」



君はいま、どこにもいないんですか?





かくれんぼ

 (もういいかい?)(まだですよ)


拍手お礼に作ったもの。

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