短編1

□傍観者の行く末
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わたしはいつも傍観者の側に立っていた

誰にも関わらなければ自分が傷つく事も無いし、他人が傷つく事もない。

誰かがわたしに近づかなければ、初校長やペルソナに目を付けられる事もない。

わたしが傍観者でいれば全て上手くいく、そう思っていたのに


「――よく難しい本、読んどるよなぁ…ウチには絶対無理や…」

「――今からドッジボールやるんやけど、一緒にやらへん?」



最近転校をしてきた無効果のアリスを持つ太陽の様な女の子――佐倉蜜柑

彼女はいつもいつもわたしの周りをうろちょろして、うざったらしい煩い女

何度も何度も冷たい言葉を浴びせているのに気にしていないようにケロッと笑う変な人間


「なー、一緒に遊ぼー…遊ぼー…?」

「…いつも言っているでしょう…わたしに関わったっていい事なんて無いの、わかる?」

「わからへん!##NAME1##は良い子やん!」



わたしは傍観者だ、誰かに関わるつもりは一切ない

揺らぐ心さえも″傍観者でいなくてはいけない″という呪縛に縛りつける

そう……そうしていなくちゃ生きていけないのだ、弱いわたしは。



「なんでお前が『傍観者』でいなくちゃいけないんだよ」


能力別クラスの時間、なんとなくサボっていたらよくあの子といる日向君が声を掛けて来た

無愛想で冷たい、そして危力系で任務もしている、どことなくわたしと似ている彼の問い


「…わたしに関わらなければ傷つく人もいない、そうでしょう」

「お前に関わってるアイツがいつ傷ついた」

「そういうものは何の前兆もなくやってくるものなのよ、…今は良くても今後どうなるか」

「馬鹿じゃねーの……んなの、建前なんじゃねーのかよ」

「……………………わかってるわよ」


傷つかせたくないとか初校長に目を付けさせたくないとか、ただの建前…口実に過ぎなかった

現に日向君はあの子の傍に居る、けれどあの子に被害なんてものは無い


「怖いのよ……誰かがわたしの所為で傷つくのが」

「……………」

「わたしは、臆病者…だから」


日向君はたまに相槌を打ちながらわたしの愚痴を聞いていてくれた

そして私は言う


「――もうやめてもいいんだよね…傍観者なんて」


そう言った瞬間、日向君がめずらしく微笑みながらわたしの涙を拭ってくれた事を今でも覚えてます


傍観者の行く末



(さようなら、傍観者)(はじめまして、おかえり当事者)



傍観者の対義語って何だろうって真剣に悩んだ結果がこれだよ!誰夢なのか解らないぞ!どうした自分!10文字以内で答えry

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