短編1

□あとは送信ボタンだけ。
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ずっとずっと好きだった。

中学のとき隣の席になって、男性が苦手なわたしに優しくしてくれた…ただそれだけ

惚れやすいとかそういうのじゃなくて…接していく内に、ああ好きだって本能で感じたの


高校に入って、離れちゃったと思ってたら同じクラスですっごく舞い上がったのを覚えてる

学園祭でライブをやらせてもらえることになった時も一緒に喜んでくれた

色々な事があってもっともっと幽くんが好きになった。


我慢できなくなって…ポロリと口から零れた告白に「OK」をだして抱きしめてくれた

中学から好きだった幽くんの恋人になれて、嬉し泣きをしてしまったわたしに微笑んでくれたことも覚えてる


「あう…なんか違うなあ…」


そんなわたしは、試練という大きな壁に正面からぶつかっていた

初めてのメール。

今までは学校で話せれば十分だったわたし達だったけれど、ついこの間…幽くんが芸能人になって

なかなか会って話す事ができないということになり、携帯番号とメールアドレスを教えたのですが

恥ずかしくて、変に思われたくなくて…送信ボタンだけが押せずにいたのでした


「…………はうっ…ダメだ、恥ずかしい…」


”猫ちゃんは元気ですか?″

「なんか幽くんのことは心配してないみたい…」

”幽くん、体は平気ですか?″

「…直球すぎて変に思われちゃうだろうなあ…」

”…好きです″

「わ、わたしは馬鹿か!!」


顔を赤らめたり、真剣になったり、表情をコロコロ変えながらメールを打っては消しを繰り返していると

携帯が振動し、一通のメールがわたしの携帯に届いた


正直言って、人見知りのわたしに友達というものは少ない…こんな時間にくるメールは幽くんだけ

体を強張らせ、こくんと唾を飲んで震える手でメールを開いてみるとたった一行


"好き″


「か、かか、かかかすかく!?」


同じ事を想ってくれてたんだと思うと嬉しくて震える手で返事を打ち…送信ボタンを押した


勿論、返事は―――――"わたしも好きです。"



あとは送信ボタンだけ。

(ハッ…幽くんから返事きた!!!)(あらあら楽しそうね)


最後のはお母さんです。初々しいっていいですね…青春エンジョイしたいッス  リア充爆発しろ!

夢主が軽音部なのは私がけいおんの映画を見て来たからだったりします///テレテレ


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