短編1

□その好きはどっちの好き?
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もし、あたしが消えたいなんて戯れ言を吐いたら君はなんていうだろう?

優しい君の事だからきっと、馬鹿言うなって怒鳴り散らすだろうな

でもその言葉はあたしだけのものじゃ無くて、目の前の弱っている誰かのための言葉なんだと思う

ボッスンの…好きな人の気を引きたいから消えてしまいたいなんて随分と我がままだな自分


「ボッスン…暇だから何か面白い事してよ」

「無茶言うなって」


雑誌を読みながらゴロゴロと寝転がるボッスンの隣に腰を掛け、もたれかかる

こんなことできるのは幼馴染の特権ってやつなんだろうな


「重てえ……」

「レディに失礼ね、口に出さないのが紳士ってもんでしょ」


くだらない会話で盛り上がって馬鹿騒ぎすることがすっごく好きで毎日が楽しかった

いまも――むかしも変わらない

それはあたしとボッスンの変わる事ない関係と全く同じだ


「……ボッスン」

「んー?何だよ」

「好き」

「おー…、俺も。」


ねえボッスン



その好きはどっちの好き

 (この関係を抜けだしたい、でも抜けだしたくない)(随分と矛盾した心)

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