キミがいた。

□22
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「…白龍、大丈夫かしら…。」

「大丈夫よぉ。アルシエル。」



白龍たちが迷宮へ向かった後、
私と紅玉は部屋でお茶を飲んでいた。

そのときだった。





22 新たに芽吹く





「アルシエル!!」

「…どうしたんですか?」



私たちがいる部屋に、
このシンドリアの八人将のシャルルカンさんがやってきた。

急いでいるのか、息を切らして。





「王サマが呼んでるぜ?」







「……なぜ、こんなことに…。」



私は今、海の上にいた。
振り返れば、100mほど先にシンドバッドたちがこちらに手を振っている。



「南海生物を倒してほしい。」

「…それは八人将の役目では?」

「ヤムライハたちがぜひキミの力を見たいと言ってね!」




…こうして、ほぼ強制的に南海生物退治をすることになったのだった。



「…2匹か。」



なかなか想像以上の大きさである。



「アルシエルーっ、ガンバレー!」



シャルルカンが目を輝かせながら応援をしてきた。
ヤムライハは子供のようにワクワクが込められた瞳で見つめてくるし、
ジャーファルとマスルールは一度実力を見ているためか、
いつもと大して変りなかった。

…ただ、シンドバッドの視線に込められた何かが気になった。



「…ハァ。」



近づいてくる南海生物を見て、杖を握る。



「イブリース・サンクスィオン」



ルフ達に命令すると、
南海生物に巨大な雷が落ちた。





「すごいわ!さすがマギね!!」



陸に戻ると、
ヤムライハさんにものすごい勢いで抱き着かれた。



「すごい出力だわ!それにあの魔法、命令式も複雑でしょう!?」

「え、はぁ…。」


確かに、あの魔法の命令式は意外と複雑だったりする。
まぁ、この程度ならまだましなのだが。



「アルシエル!!お前スゲーな!!」

「ぅわ。」



すると急に、シャルルカンさんが
私とヤムライハさんを引き剥がした。

…シャルルカンさんは魔法に興味がないと聞いたけど。

まぁ、喜んでくれたようでよかった。



「ちょっと!なにしてくれんのよ剣術バカ!」

「なんだとこの魔法バカ!!」


「…あの二人は放っておきましょうね。」



ジャーファルさんがやけに疲れているように見えた。



――to be continued…






(私は女よ!?嫉妬するとかありえないわね!)
(バッ…!違ェし!!)

 

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