ギン化版flat蟲師捏造話

□ギン化版flat蟲師2「ぼたん餅」(P7)
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★注意!―――この話は、蟲師+flatの多重パロ話です★
 つまり―――講談社コミックス「蟲師」全10巻(漆原友紀先生 著)の登場人物であります蟲師のギンコとその客で友人の医家の化野先生が → Mag GARDENコミックス「flat」1〜7巻(青桐ナツ先生 著)の登場人物であります高2男子平介とその従兄弟の幼稚園児の秋君みたいな関係だったら…?―――と妄想してみました♪多重パロの二次創作話です。
 まずは、舞台設定の補足を。
@蟲師世界です。
Aこのギンコは、「蟲師」原作第3巻「眇の魚」後まもなく(=推定10歳)、スグロに拾われ、原作第9巻「草の茵」にて次期ヌシの卵を壊すことなく、スグロの庇護のもと、流しの蟲師等に預けられたりしながら育ち、蟲師として独り立ちして間もない17〜20歳くらいのギンコです。
Bちび化野は、スグロの住む山郷の医家夫婦の三男坊で、女医さんなお母上にたがねさんを据えて捏造しました。
Cワタリのイサザは、原作×A設定な感じで、ギンコの子供の頃からの友達です。
 「蟲師」原作&オフィシャルブックによりますと、ギンコの年齢は二十代後半で、ギンコと化野先生の関係は「蟲師と客の医家で、友人」。ですが、このシリーズでは、原作に描かれてましたその僅かな設定すら切り崩して、殆ど色々細部に至るほど捏造です! どうぞ、「蟲師」原作―――特に、第1・3・5・9巻(ワタリのイサザに関しましては、第4・6・10巻)をご覧になって、正しい設定をご確認下さい♪
 以上の要素を好まない方は…決して見ないで下さい。

ギン化版flat蟲師2「ぼたん餅」1

 朝飯の片付けをして、小さな庵の中をちょちょいと掃除し終えると、ギンコは、炉端に座って木片をひとつ火にくべた。
「うん、こんなもんか」
 この山の庵に居候するようになって7年―――
 『自分は、どうも蟲(むし)を寄せる体質らしい』
 そう気付いてから後、それからは、もう(何処にも居着く訳にはいくまい)と流れ続けて、とうとう疲労と空腹で蟲まみれになって行き倒れていたところを、ギンコは、この家の主で、この『光脈筋(こうみゃくすじ)』の山の守り人をしているスグロに拾われたのだった。
 とは言え、この山の家にも、やっぱり居続ける訳にはいかないのだが、スグロは、ギンコを自分の『養い子』にしてくれ、居続けは出来ぬながらも、この家をギンコの『我が家』にしてくれた。そして、『ひとつ処に居続けなくても出来る仕事』は…と、この里の医家先生のお使いをして、街まで薬を買いに行くという『買い出し屋』の仕事を世話してくれたのだった。
 以来、ギンコは、この家で1日〜2日寝泊まりしては、また、街まで買い出しの旅に出る、という暮らしを続けている。
 今では、特に急ぎの買い出し仕事でなければ、道すがら、ちょこちょこ他の里にも寄って、他所の里の人らからも買い出し仕事を請け負いながら行ったり、或いは、何処ぞで仕入れた物を、また他所で、と売って歩いたりもしている。
 そして、己が身に集う蟲を払う為に、スグロから習い覚えた蟲祓いの技も、今では、自分の為だけのものではなくなっていた。経験はまだ浅いながらも、今や、ギンコは一人前の流しの蟲師だ。
 そんな旅が棲み家の浮草暮らしも、性に合っているのか、苦ではないが、こんな風に屋根壁に囲まれて、温かい炉端て、まったりと胡座をかいていられるのは、やっぱり、いいもんだと思う。
 さて。
 今朝は、早くから起きて、薪割りも―――昼飯や、晩飯の分の仕込みをも済ませて、只今ちょっと一休みをしているところだった。
 が、もう、じきに、小さなお客が来る。
(そういや、干し肉が、もう、じきに無くなってしまうなあ)
 と、ギンコは、先ほど飯の下拵えをしながら考えていたことを思い出した。早速、兎罠のひとつでも拵えておきたいところだが、もう、じきに小さな化野が来るのでは、
(やっぱ、危ねえか)
 昨日、見てた限りでは、化野坊ちゃんは、一人遊びの上手な大人しい子供で、何にでも触ってみなけりゃ気が済まないような、聞き分けのないガキではなさそうだったが…アダシノには悪戯するつもりはなくても、やはり、万が一ということもある。
 まあ、肉は乏しくても、道中、市場の投げ売り安値につられて買い込んで来た魚があるし…アダシノは、また、お絵描きでも始めれば、自分一人で静かに遊んでいてくれそうだしな…昼間、チビが居る間は、草鞋(わらじ)でも編んでるか…
 などと、つらつら考えていると、ひょっこりと、小屋の入り口によく知った顔が現れた。
「よう、ギンコ」
「イサザ」
 すぐに立ち上がって、ギンコは、イサザを出迎えた。
「達者でいたか?」
「おう。久しぶり。そっちはどうだ?」
 ワタリのイサザだ。
 『流れ往く民=ワタリ』は、地中を流れる『光脈(こうみゃく)』と呼ばれる生命の源のようなモノの『流れ』を辿って旅している民だ。
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