novel
□初めてのプレゼント
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アスハ邸の桜が今年最初の春を告げた日、
カガリと俺が出逢ったその日に君は春を連れてやってきた。
君の大きな産声を聞いたとき、あまりの元気の良さに男の子かと疑った。
こんなにも愛しいと感じる事、今までない。
手にかかる2500グラムの小さな体は…計り知れないくらい、重いんだ。
命の重さ…
尊さを思い知らされる…
カガリと俺に春を連れてきてくれた君に、俺たちから初めてのプレゼントがあるんだ。
「ハル」
親が産まれた子供にあげる最初のプレゼント。
ハル…
それが君の名前。
母親譲りの金の髪、父親譲りの深緑の瞳。
君が大きくなったら、あの無人島へ3人で行こうか?誕生日を祝いに。ついでに両親の出逢いにも。
偶然か運命か…
君は春を連れて、カガリと俺が出逢った日に産まれたんだ。
カガリも俺も
君を世界中の誰よりも愛してる
end