novel
□Pirate's treasure①
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君は海賊になった男を待っていてくれますか？
あなたはいつ嫁ぐかも分からぬ女をさらいに来てくれますか？
こんなにも広い世界の中で出逢えたのだから…。
また、あの夢だ。
…何歳頃だったろうか？
幼くて余り覚えていない。
けれどその日は私達の町が海賊に襲われた日で、下に見える町には心臓を叩くような大砲の音と炎と逃げ惑う人々の悲鳴が渦巻いていた。
真夜中の闇の中、私とラクスはクローゼットの中で息を潜めていた。
いつもの夢と全く同じだ。
次には、部屋のドアを押さえている執事が撃たれて、まるで土のように汚れた手がクローゼットを開ける。
そして私は今日もいつも夢見る事と同じ事をする。
死んだ執事の手から銃を取って、海賊に向けて構える。