夢小説
□お前は俺の妻だろ?
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「「嫁ーーーーーー?!?!?!」」
『はい…』
ここはバトルロワイアルホスト…
銀時の横でポツリと小さく答えた椿の前には新八、神楽、土方、沖田が座っている。
「ぎ、銀さん‼あんた結婚してたんですか?!?!?!」
「何かの間違いアル!!!こんな綺麗な人が銀ちゃんの嫁だなんて可哀想ネ!!!」
「うるせーな…こいつもそう言っただろ?」
顎で横に座っている椿を軽く示す。
絶対に納得がいかないと喚く新八と神楽を他所に沖田が口を開く。
「椿さんっていいやしたかぃ?あんた…本当に旦那の嫁なんですかぃ?」
『え、えぇ…』
「………ありえねぇ」
椿を見て、不服だとでもいうように煙草の煙を吐き出す。
「んで、何で今までこの江戸にいなかったんですかぃ?」
『そ、それは……』
沖田の疑問も当然。
この何年かで銀時と知り合って、今まで腐れ縁とでもいうのか事あるごとに関わりを持ってきた真選組だったが、銀時が結婚しているなんて話は聞いた事もなかったのだ。
「それ…俺も聞きてーんだけど?」
『…………それは…』
銀時の冷ややかな視線に俯いた顔を上げられない。
そして、目の前にあるコーヒーカップに触れている手が少し震えていることに気づいた土方は一瞬眉を顰めた。
「椿さんは今まで何されてたんですか?この江戸にいて銀さんに会わなかったってことは、何か他にやることでも??」
新八の問い掛けにも何と答えればいいのかわからず、またしても押し黙ってしまう。
そんな椿を見兼ねて土方が軽く咳払いをして、違う質問を投げかけた。
「仕事は何してるんだ?」
『あ…それなら……これを、どうぞ』
巾着の中を漁り、差し出されたものはどこかで見たことのあるもの。
「……それって」
新八の呟きに小さく頷く。
『真選組の手帳です』
「「えぇーーーー?!?!」」
驚嘆の声を上げた新八と神楽にも負けず目を丸くして驚いた土方は手帳を広げた。
それを横から覗き見た沖田はニヤリと笑みを浮かべた。
「へぇ〜真選組統括指揮官とは随分と立派な肩書きですねぃ。土方の上とは面白ぇや」
「………統括指揮官。お前これ本物だよな?」
今にも灰が落ちそうな煙草を咥えて、信じられないという表情を浮かべている土方にクスリと小さく笑った。
『もちろん、本物ですよ?まさか、こんな形でお会いするとは思いませんでしたので、ご挨拶が遅れて申し訳ありません…
改めまして、私、この度真選組統括指揮官に任命されました坂田椿と申します。
今後ともよろしくお願いします』
背筋をピンと伸ばして丁寧にお辞儀をする椿に銀時以外の一同は口をポカンと開けて見つめた。