世界一初恋

□忘れられない記憶
1ページ/8ページ

「政宗のバカ!もう知らないんだから!」

1か月ほど付き合った女にそういって頬を思いっきり引っかかれた。

もともと、俺はこいつに恋愛感情なんてなかった。ただ、身体の相性が良かったから付き合ってただけだ。

大学生になってから、こんなことをもう数え切れないほど繰り返している。


「また別れたのか。」

声の主は横澤だった。

「何故わかる。」

「頬の傷。女に引っかかれたんだろ?」

全くその通りな訳で。黙り込んだ俺に、横澤が言葉を続ける。

「お前さぁ、いい加減にしろって。」

「何が?」

「だからっ!遊びのつもりならやめろって言ってんだよ!」

横澤が、苛々した様子で言う。

「別に俺が誰と何をしようが俺の勝手だ。お前にどうこう言われる筋合いはない。」

バシッ

いきなり横澤のビンタが降ってきた。

「目を覚ませ、政宗。こんなことを続けてたらお前はいつかダメになってしまう。俺はそんなお前を見たくないんだ。だからもう・・・」

横澤の声が遠くなる。
俺がダメになるって?そんなの知ったことか。俺の人生はあの日から真っ黒なままなんだよ!








次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ