世界一初恋
□忘れられない記憶
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「政宗のバカ!もう知らないんだから!」
1か月ほど付き合った女にそういって頬を思いっきり引っかかれた。
もともと、俺はこいつに恋愛感情なんてなかった。ただ、身体の相性が良かったから付き合ってただけだ。
大学生になってから、こんなことをもう数え切れないほど繰り返している。
「また別れたのか。」
声の主は横澤だった。
「何故わかる。」
「頬の傷。女に引っかかれたんだろ?」
全くその通りな訳で。黙り込んだ俺に、横澤が言葉を続ける。
「お前さぁ、いい加減にしろって。」
「何が?」
「だからっ!遊びのつもりならやめろって言ってんだよ!」
横澤が、苛々した様子で言う。
「別に俺が誰と何をしようが俺の勝手だ。お前にどうこう言われる筋合いはない。」
バシッ
いきなり横澤のビンタが降ってきた。
「目を覚ませ、政宗。こんなことを続けてたらお前はいつかダメになってしまう。俺はそんなお前を見たくないんだ。だからもう・・・」
横澤の声が遠くなる。
俺がダメになるって?そんなの知ったことか。俺の人生はあの日から真っ黒なままなんだよ!
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