世界一初恋

□貰い物
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「……なぁ雪名」

「はい」

「コレ、どうすんの?」

「どうしましょう?」


木佐さんが指さす先にあるのは大量のよもぎ。
とにかく、本当に量が半端なくて……

「ったく…よくもお前こんなに貰ってきたなぁ」

「…俺もわざとじゃないんですってば!たまたま、おばあさんが公園で取ってるの手伝ったらお礼にどうぞって……」

俺だって好きでもらってきたわけじゃないんです!と木佐さんに泣きつく。

「あ〜…でもコレこんなにあってもな〜…」


だいたいよもぎなんて何に使えばいいんだ?と俺の横でひとり頭を抱える木佐さん。

あまりの可愛さに思わず抱きしめたくなったけどここはぐっとこらえる。

(今木佐さん怒らせたら雷落ちてくる気がするし…)


「捨てるのはもったいないし…」

「木佐さん?木佐さんってば!」

「よもぎ…よもぎよもぎ……」

聞こえてるのか聞こえてないのか。
木佐さんの口からは『よもぎ』しか出てこない。

(もしかして、俺よもぎよりも下なの?)

いやいやいや…でも、今の状態………

(よもぎなんかもらうんじゃなかった…)

「なぁ〜雪名?」

「はい?」

「よもぎっつったらやっぱよもぎもちか?」

「しか出てこないです」

「お前作れる?」

「えっ…え〜っ!?そんな…無理ですって!俺そんなの作ったことないですし」

「お前が貰ってきたんだからお前が何とかしろ…おれも手伝うから、さ///」

それに、と小さく呟く声がする。





”------俺も食べてみたいし……”




ああああああ!
木佐さん、それは反則ですっ!
そんな可愛い顔で駄目?なんて言われたら俺やるしかないでしょう!
俺はよもぎもちより木佐さんを食べたいですけどっ!


「じゃあ一緒に作りましょう」






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