小説
□一途な不良?
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「なぁ、俺と付き合ってくんねえか?」
は?今のは空耳、いや幻聴か?
それとも私は疲れすぎているのか?
はて、どれだろうか?
うん、まぁ、とりあえず
私こと北条(ほうじょう) 瑞希(みずき)は
物凄く、現実逃避をしたいということだよね
目の前の現実を受け入れたくないんだよね
どうしたらいいの?
誰か助けてー!!!!
「おい、聞いてんのか?」
「す、すいません!」
「いや、そこまで怯えなくていいだろ」
いや〜、それは無理だよ
だって私の目の前にいる人は学校一の不良である
月ヶ瀬 暁 (つきがせ あきら)先輩なのだから
つか、何で?!
「あの〜すごく気になるのですが何で私なのでしょうか?」
「そりゃ、好きだからだ」
「えぇ!!私、貴方と一度も関わったこと無いですよ!!!」
「あぁ、一方的に俺が知ってただけだからな」
えっ!何で?
私、普通の生徒だよ!!
「で、ダメなのか、良いのか、どっちなんだ?」
「えーと、どうなんだと言われましても…」
「やっぱ、ダメか……」
そう言うと、先輩は私に背を向けて帰ろうとした
その後ろ姿がとても悲しそうで
私はほっとけなかった
「待って下さいっ!」
「あ?」
「いや、その…」
「からかってんのか?」
「そうじゃないです!」