大切なもの
□笑おう
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ある日。
俺・・・アツヤは、いつも通り士郎とサッカーをしに行く予定だった。
しかし、ふといわれた一言。
士「僕、外国に留学するんだ。」
ア「・・・は?」
持っていたサッカーボールを落としてしまった。
嘘だと思った。
そうであってほしかった。
ア「なんで?」
士「サッカーをもっとしたいから」
確かに士郎は勉強もできるし、サッカーもうまい。
それでも涙が出てくる。
ア「ど・・・して・・・」
士「わっ、アツヤ!!?泣かないでよぅ…」
士郎があわてる。
ごめん俺サイテーだ。
いってらっしゃいって言わなきゃいけねーのに。
俺は、肩にかけていたタオルに顔を埋めた。
ア「━━━━っ」
士「泣かないで?ねぇ…あっ、そうだ!僕、いっぱい手紙送るから!!
電話だってするし、たまには外国のお菓子だって送るから!!!」
だから泣かないで?と、俺の頭をなでる士郎。
しかし、結局俺は笑えないまま…
数日後、士郎は行ってしまった。
キキィ━━━━━━
ガキャッ
ガガガガガガガガガギャッボキボキボキ…グシャッ
≪本日のニュースです。日本から留学していた、日本人男性がひき逃げに遭いました。犯人は逃走中で━━━━…≫
士郎から手紙が来ることはなかった。
最後にせめて
笑って“いってらっしゃい”と
言ってやれば よかった……
また会うときはちゃんと言おう
おかえり…と
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