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□01・君に出会えて
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鳴海が来るのを待ってから30分は経っただろう?

大人しくしているからとてつもなく暇になってきた。


棗「オイッ明莉とか言うやつ。」

急にものすごく長くなった私の名前らしきものが聞こえた

いや、確かに私の態度も悪かったけど普通こんなこという?

 『何?ムスッとした棗くん』

何となくむかついたからやり返してしまった。


棗「お前のアリスはなんだ?」

あっ、スルーなんだ…

まぁいいけどさ。


 『私のアリスは、宇宙のアリスと破壊のアリス。

さっき鳴海から聞いた。じゃああなたたちのアリスは?』


棗「炎…」

 『ふーん…素敵ね』

棗「・・・。」

 『ルカ君のは?』

流「俺っ!?」


急にあたふたし出したルカ君。

そんなに言いたくなかったのかな?


 『嫌ならいいよ。無理する必要はないし』

流「いや!無理してはないけど…」

 『そう…?』

流「俺のアリスは…動物フェロモン……」

 『それって動物と仲良くなれちゃう?』

流「うん。」

 『へぇ〜いいなぁ…』


ほんとにいいなぁ

二人のアリスは役にたつアリスなんだ

私のアリスなんて…


流「明莉?どうしたの?」

 『いや、二人のアリスは素敵でいいなって…』

棗「お前のだって素敵。」

 『えっ?』

今思わぬ言葉が棗君から聞こえたような…

 『今何て?』

棗「素敵だって言ったんだ。」


そんなこと言われたの初めて…

棗君ってもしかしたら優しいとか?


鳴「ごめん遅くなっちゃった…ってあれっ?

みんなどうしたの?」

 『私のアリスって素敵なんだって…棗君が…面白いね』

鳴「うん、そうだね。明莉ちゃんのアリスはとても素敵だよ。」

 『私のアリス?』

鳴「うん、そうだよ。」


そうだった素敵なのは…必要とされてるのは

私のアリスなんだ…

私は…必要じゃないんだった

ちょっと舞い上がってた自分が


バカみたい…




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