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□03・人は分からない
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転校して来て一週間

なぜか私はクラスの中心となってしまった

なんであんな態度をとったのに周りに人が集まるの?

その疑問はすぐ解けた

あの二人が…

棗君とルカ君が隣にいるからだ


 『二人とも私その隣にいないで』

流「なんで?」

 『あなたたちがいると周りに人が集まってしまう』

棗「そんなに嫌なのかよ」

 『えぇそうよ。私は一人でいいの』

流「そんなの…悲しくない?」

 
悲しい?

私が悲しいっていうの?

一体何が悲しいんだろ


 『よく分からないけど、悲しいなんてありえない』

棗「そんなに嫌なのか?」

 『いやよ』


その言葉を言ったら棗君が悲しい顔をした

私のよく知ってる顔

お母さんのあの顔…



《お子さんをお預かりに来ました》

《そうですか…とうとうばれたんですね》

《お母…さん》

《ごめんね…ごめんね明莉…》





なんで?

なんでそんな顔をするの?


棗「そうか…ルカ行こう」

流「棗っ!!」

二人はそのまま教室を出て行った



別に悪いことはしていない

悲しくなんかない

さみしくなんかない



そう無意識に思っていたことを私は気付かなかった



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