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□03・人は分からない
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**流架side**


俺は知らない

明莉の事を何一つも知らない

棗が言っていた明莉も

今目の前にいる明莉も

そして棗の事も…━━






流「棗!本当にいいの?」

棗「仕方がないだろう。あんなにいやがれたらどうすることもできない」


珍しい…

棗がこんなになるなんて…

こんなに自分を出せてないなんて…

そんなに明莉の事が大事なんだと分かる。


流「でも、このままだとずっと思いだせないままだよ!?」


ここは俺が説得するしかない

あれだよ

両思いなのに恥ずかしがってなかなか告白出来ない人達みたいな…

まぁ、向こうがどんなふうに思ってるか分かんないけどね


棗「けど俺これ以上嫌われたら…」

流「何らしくないこと言ってんの!

…棗なら大丈夫。明莉だって昔みたいに戻れるよ」


何の根拠もない

けど、昔の明莉を取り戻すためには

棗に素直になってもらうにはこれしかないと思った

ただ俺は何をしたいのかが分からなくなった


棗「ルカ…俺明莉が好きだ。」

流「うん。知ってるそんなのここに来る前から…」

棗「俺は自信がない。なぜあいつが記憶をなくしているか

何かいやなのことがあって忘れているのか」

流「うん」

棗「それを思い出させて辛い思いをさせてしまったら…」


こんな短時間でこんなにも悩んでいたんだ…

そうだよね

ずっと探していたんだもん

転校を繰り返しながらもずっと探していた


流「じゃあさ、なおさら気持ちを伝えたら?」

棗…そんなに一人で抱え込まないで…

俺がそばにいるから

流「棗がそばにいて助けてあげなきゃ」

棗「ルカ…」


行っておいで棗…

俺はずっと見ているから


棗「ルカ、俺がんばっていいか?」

流「もちろん。がんばれ…棗……」




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