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□05・見上げた空は
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?「それはこっち…〜〜あっちが〜〜」
?「これはど〜〜の?」



誰かの声が聞こえる…

ここは私の部屋なのに……


?「静かにし〜〜」
?「うるせー〜〜だろ」



 『うるさい!一体誰よ!!』

ガバァッ


勢いよく起きると確かさっきまで

私の部屋だったところが綺麗に飾られていた

天井には大きく

“明莉誕生日おめでとう”

と紙が貼ってあった


ス「明莉起きたの?」

流「あのえっとこれは…」

 『一体何やってるの…!』


いい忘れてたけど、私の寝起きはいつも以上に機嫌が悪い

何をやらかすか分からないくらい


 『人の部屋に勝手に入って何様のつもり?』

棗「お前今日誕生日だろ」

 『だからなんだっていうのよ』


そうだった今日は私の誕生日だった…

でもそんなのどうだっていい

私が年食ったって誰も何とも思わないんだから


心「そんなことないよ」

 『!!?』

心「ごめん、読めちゃった」


心読みがてへっとかわいくもないポーズとして言った

 『あんた…ふざけるんじゃないよ…!』

小さな怒りがだんだん大きくなっていく


流「明莉そんなに怒んないで。みんなで頑張って用意したんだよ」

 『私はそんなこと頼んでないわ。

あなたたちが勝手にやったんでしょ!』

ス「そんな言い方はないんじゃない?」

 『うるさい。早いこと出ていってくれない?』


起きて今まで何度この台詞言っただろう?

あっ、初めてだ…


ス「みんなでプレゼント持ってきたの受け取りなさいよ」

とスミレがリボンのついた箱を渡す


 『これをどうすればいいの?』

ス「何言ってんの!?これはあなたへのプレゼントよ」

 『それって…何?』

ス「プレゼントも知らないの?」


いやだってもらったことないし…

私の記憶の中では

よく分かんないけど…


流「とにかく!明莉もらいなよ」

 『なんで?私ちょうだいなんて言ってない

しかももらったら帰さなきゃいけないじゃない』

ス「そんなもの望んでないわよ。

まぁ、どうしてもって言うならもらってあげてもいいけどね」


しらねーよそんなこと

全く意味分かんないし

とにかくあげると言われたので大人しくもらっておいた

もう言いあうのも面倒くさかったし…


 『ありがとう』

そう言っときゃいいんでしょ

ス「それでいいのよ」

 『あれっ?そういや棗君は?』

流「棗ならさっき出ていったよ。何か思い出したような表情をして」

 『ふーん…』


気にしてるとかそんなじゃないけど、何となくだけどね


私は棗君を探しに部屋を出た




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