恋に落ちたステラ
□銀世界での出会い
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エイリア学園を飛び出して数日。
さすがに1人じゃ何もできないと悟った僕は瞳子さんに連絡を取ってみた。
瞳子さんはイナズマキャラバンで地上最強チームを作ってエイリア学園に対抗しようとしているらしく快く僕を誘ってくれた。
うん、まじで瞳子さん女神!
でも…でもね、瞳子さん。
『交通手段が青春18きっぷって…』
瞳子さんによると、今は仲間集めのために北海道に向かっているらしい。
キャラバンなんだから迎えに来て欲しかったなぁ、なんて。
いや、嘘です冗談ですそんな贅沢言わないよごめんなさい瞳子さん。
『…あ、着いた』
1人でブツブツ言ってるうちに無事北海道に着いたようだ。
電車から降りて外に出ると目の前に銀世界が広がった。
『これだけ寒いと星がよく見えるんだろうな…』
ああ、早く夜にならないかな天体観測したい…じゃなくて!着いたら電話しろって瞳子さんに言われてたんだった。
『あ、もしもし瞳子さん?着いたよ』
「そう。じゃあ白恋中まで来てちょうだい」
『白恋?どこそr「じゃ、今忙しいから」…切られた』
え?ちょっと待ってよ、え?
どこにあるのかもわかんないのにどうやって行けって言うのさ。
いつもにも増して鬼畜だね瞳子さん!
『とりあえず歩いて行けば着く、はず』
うん。何とかなる、はず!
***
『数時間前に何とかなるとかほざいてた僕まじ馬鹿。宇宙一馬鹿』
道に迷いました。
所謂迷子ってやつです。中2になってまで迷子とか恥ずかしすぎて死ねる。
『いや、その前に寒さで死ぬ…』
とりあえずこれ以上動かない方がいい、よね。うん。
というわけで体育座り。
『あーぁ、誰か来ないかなーってかもう白恋中の生徒とかがタイミングよく現れたりしないかなぁ…』
「ねぇ、君」
『黄身?卵の黄身って美味しいよね。あ、でも僕はどっちかというと白身派…ってあれ僕誰と話してうわぉっ!?』
吃驚した。人がいたよ。
よかった助かった僕ってば超ラッキー。
「見ない顔だね、どこから来たの?」
僕と同い年くらいの男の子がスノボを持って立っていた。
笑顔が眩しいね、うんうん。
『遠き星エイリアから…じゃなくて静岡から人を探してて、』
危ない危ない。リュウジのレーゼ口調が乗り移るところだった。
リュウジをからかってよく言ってたからクセになっちゃったのか…。以後気をつけるとしよう。
「へぇ、わざわざ静岡から」
『う、うん。それでね、その…迷子になっちゃって…』
「どこに行くつもりだったの?」
『えっと、白恋中?』
「じゃあ僕が案内してあげるよ!」
『えぇ!?わ、悪いよ…』
「僕、白恋中の生徒なんだ。丁度学校に戻るところだったし、ね?」
『じゃあ、お願いします…』
「うん!僕は吹雪士郎。よろしくね」
『僕は東条鈴音。鈴音でいいよ。よろしく、吹雪君』
とりあえずは無事に白恋中へ行けそうです。
2011.12.31