恋に落ちたステラ

□スルースキル発動!
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大雪原で人を見つけた。
綺麗な蜂蜜色の髪の毛と透き通った緑色の瞳を持った女の子。
最初は男の子かと思ったけど、近くで見るとすぐに女の子だとわかった。
まるでお人形みないなその子からどうしても目が離せなくて、声をかけた。

名前は東条鈴音。静岡から人を探してわざわざ北海道まで来たはいいものの道に迷ってしまったらしい。
行き先は白恋中と僕の通っている学校で幸いここから近かったので案内することにした。


『吹雪君って何年生?』

「2年生。鈴音は?」

『僕も2年!一緒だね』


えへへ、と無邪気に笑う彼女に胸が高鳴った。
何、今の…?
こんな感情、僕は知らない。


「あ、着いた。ここが白恋中だよ」

『ありがと、助かったよ!』

「どういたしまして」

『さて、どうやって捜すかなぁ…。瞳子さんの事だから携帯出ないだろうし、』

「僕も一緒に捜そうか?」

『え、いいの!?』

「うん。でもその前に寄りたい所があるんだ。すぐに済むからついてきてくれる?」

『もちろん!で、どこに行くの?』

「サッカー部の部室なんだけど…」

『吹雪君サッカーやってるの!?』

「うん。弱小サッカー部だけどね」

『僕もサッカーやってるんだ。今度一緒にできたらいいね!』


にこにこ笑う彼女にまた胸が高鳴った。
また、だ…。何なの、これ。


「…吹雪君?」

「う、うん!そうだね。じゃ、行こうか」


***



「吹雪君だ!早く早く!どこに行ってたの?お客さんが来てるんだよ!」

「お客さん?」


部室の目の前まで来たところで可愛らしい女の子が中からひょっこり顔出して手招きした。
というか、今お客さんって…。もしかしたらもしかする、のか?
なんて思いながら中へ入ると案の定、部室の中には瞳子さんとゆかいな仲間達(イナズマキャラバン)が。


『っ、瞳子さん!』

「なんとか辿り着けたようね」

『無事じゃないし!迷子になってたところを吹雪君が助けてくれたの!あのままだったら確実に遭難してたよ!?』

「それはあなたの方向感覚がおかしいからよ」

『場所も教えてくれなかった人が何を言うか!』

「あら、場所は教えたはずよ?「白恋中」って言ったでしょう?」

『いやだから行き方とかさぁ、もっと詳しk「吹雪君、少し時間いいかしら」瞳子さん最近僕への扱い酷くない!?』

ついにスルースキル発動したよこの人!
ちょ、泣きそうなんですけど。


「瞳子監督、そいつ誰なんですか?」


興味津津に瞳子さんに尋ねたのはオレンジ色のバンダナを着けた男の子。
何というか、物凄くサッカー馬鹿な顔をしてるなぁ、と。まぁ僕も人の事言えないんだろうけど…。


『そいつとは失礼な!僕は東条鈴音。瞳子さんとは親戚みたいなものかな?』

「鈴音にも私達と一緒に戦ってもらうわ」

『というわけで、よろしく。えっと…』

「俺は円堂守!ポジションはGK。これでもキャプテンやってる。よろしくな!」

『うん。よろしく、円堂君』


にこにこ笑う円堂君と握手した。
うわ、手ぇごつごつ。さすがGK。よく鍛えてるんだろうなぁ。


「…本題に戻るわ。吹雪君、あなたに話があるの。少し時間いいかしら?」

「えぇ。えぇっと…?」

「私は吉良瞳子。雷門中サッカー部の監督よ」

『ん?んん?どういうこと…?』


どうやら僕一人が状況を理解していないようです。



2012.01.01

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