恋に落ちたステラ

□二重人格と絶対零度
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吹雪君の実力を見るために白恋対雷門で練習試合をすることになった。
僕はベンチで試合観戦する気満々だったのだけれど、瞳子さんが僕の今の実力も見たいとか言い出して試合に参加することになっていた。


『へぇ、中々やるね吹雪君』


吹雪君は染岡君の必殺シュートを軽々と受け止めてしまった。
その上スライディングに行った染岡君を簡単に弾き飛ばしていた。


「この程度かよ、甘っちょろい奴らだ」


瞬間、吹雪君の雰囲気が変わった。
さっきまでの穏やかな吹雪君とは一変、攻撃的な吹雪君になっていた。


『二重人格、なのかな…?』


そのまま一人でどんどん上がっていく吹雪君。
一之瀬君、風丸君、鬼道君、土門君…と次々に吹雪君からボールを奪いに行ったけれど全てねじ伏せてついにはシュートを決めてしまった。


『わぉ!凄いね今のシュート!』

「へっ、当たり前だ」


久々に楽しいサッカーができそうだ。
そう思ったときだった。


「そこまで!試合終了よ」

「なにっ!?」

『えぇー!?僕まだ全然活躍できてn「あら、私の言うことが聞けないの?」嘘ですごめんなさい瞳子さん』


怖い怖い怖い!瞳子さんその目怖いよ!
お願いだから吹雪君のアイスグランドみたいに氷漬けにできそうな冷たい目でこっち見るのやめて!


「ふざけるな!このまま負けっぱなしで終わってたまるか…!!」


負けっぱなしでの試合終了に納得いかない染岡君が試合続行とばかりにボールを蹴りだした。
しかも吹雪君や他のみんなもやる気になってるし。
あああ、命知らずにも程があるよみんなぁあああ!
君達はまだ瞳子さんの本当の怖さを知らないんだ!!
いつの間にか染岡君からボールを奪っていた吹雪君はさっきと同じようにどんどん上がってくる。

と、兎に角この試合止めなきゃだよねそうだよねうん。
ってやばいやばい吹雪君もうシュート体制入ってるよ!


「エターナルブリザード!」

『しっ、試合終了キーック!』

「なっ!?」


無我夢中で飛んできたボールをいつものように蹴り返した。
蹴り返したボールは必然的に吹雪君の元へ帰って行くわけで、だけど状況を把握できていない吹雪君は僕が蹴り返したボール避けきれず、ボールごと吹っ飛んでしまった。
…あれ?吹っ飛ぶ……?


「………」


あるぇー?ねぇ、吹雪君無言で地面とこんにちはしてるんだけど!?
これってもしかしてもしかしなくても失神とかしちゃってたりする…?



『うわあああ吹雪君んんん!死ぬなぁあああ!!』

「…し、死んでないよ。大丈夫だから、落ちついて……?」

『ほんとごめんね!吹っ飛ばすつもりはなかったんd「お前らすげーな!吹雪、鈴音!」……へ?』


気がついたら僕の周りを雷門中のみんなが取り囲んでいた。
え?え?今なんて言ったのこの人。


「凄いぜ吹雪!あんなにびりっびりくるシュート…俺、感動した!」

「それをを蹴り返した鈴音も凄いな」

「うん、僕のシュートを蹴り返したのは君が初めてだよ。鈴音」

「試合終了キック、ですか…。中々のネーミングセンスですね。まぁ、この僕には負けますが」

『え?え?』


どうやらさっきのキックを必殺技と間違えられたようです。
どうしよう誤解されてるよ。ああもうこの際必殺技にしちゃおうか。
そうすれば誤解を解く手間も省けるし!うんうん僕って天才!
なんて馬鹿な事を考えてたら背中に絶対零度の視線が突き刺さった。
ぶるり、体中に悪寒が走る。


「はい!そこまで!」

『ひ、瞳子さん…!』

「試合終了キック、ねぇ…。とっくの昔に試合終了のはずだなんだけど?」

『ひぃっ、ごめんなさいいいい!』


やっぱり瞳子さんは最強で最恐の監督です。

***
設定の必殺技へ「試合終了キック」を追加しました。


2012.01.02

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