恋に落ちたステラ

□天才とシスコンは紙一重
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吹雪君が正式にイナズマキャラバンに参加することになり、今度は雷門イレブンと紅白戦をすることになった。
がしかし、吹雪君は誰にもパスを出さずに1人でどんどん上がっていく。
それにキレた染岡君が吹雪君に食ってかかった、んだけど…。


「そういう汗臭いの疲れるなぁ」


吹雪君も言われっぱなしは嫌なようで、きっちり言い返していた。


『ぶっ、汗くさっ…あはは!』

「誰が臭いって!?誰が!お前も笑ってんじゃねぇ!!」


そ、そんなに怒らなくったっていいじゃん!
カルシウム摂りなよカルシウム。
じゃないといつか血管切れちゃうよ…?


「どんなにスピードがあろうとこんなに自分勝手な奴と一緒にやれるか!無理なんだよ、こいつに豪炎寺の代わりなんて!」


うん、これはさすがにイラッときた。
代わりだって?ふざけんな。


『はぁ?なにそれ。吹雪君は吹雪君じゃん。その豪炎寺って人の代わりじゃない』

「あぁ。それに、今の俺達には吹雪のスピードは必要だ。だから…俺は吹雪に合わせてみる」

「はぁ!?風丸、お前なに言って…」

「エイリア学園からボールを奪うにはあのスピードがなくちゃ駄目なんだ。そうでなきゃ…また前の繰り返しだ」

「だったら、風になればいいんだよ!」


吹雪君は笑って「僕についてきて」とだけ言うと歩きだした。


***



『風になる、ってスノーボードのことだったんだね』


みんな滑っている様子をマネージャーさん達と一緒に見物中。
鬼道君と塔子ちゃん、上手いなぁ。やったことあるのかな。


「あれ?鈴音さんは行かないんですか?」

『んー、見てる方が楽しいし。春奈ちゃんとお喋りしたいし?』

「鈴音さん…」


ぽっ。春奈ちゃんの頬が桃色に染まった。
可愛いなぁ、もう!なんて思いながらニヤけてたらどこからともなく雪玉が飛んできた。


『わぷっ、!』


そして僕の顔面にクリーンヒット。
冷たい、そして痛い。


「俺の妹に手を出すな…!」


どうやら雪玉を投げた犯人は鬼道君だったみたいだ。
天才ゲームメーカー鬼道君の素顔はシスコンだったわけね、なるほどなるほど。


『…あ、鼻血』


よほど威力が凄かったんだねさっきの雪玉。
どんだけ硬く作ったの、握力の無駄遣いだよ鬼道君。

その後しばらく鼻にティッシュを詰めていた僕を見て鬼道君が「無様だな」とか言い出しそうなドヤ顔で見てきたのは言うまでもない。



2012.01.02

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