恋に落ちたステラ

□モヒカンに遭遇しました
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『…モヒカン?』

「あぁ?」


思わず口に出てしまった。
だって、だって絶賛迷子中な僕の目の前にモヒカンが…!
モヒでカンな人がこっちを睨んでるんだもん…!!


「いや、全部聞こえてんだけど」

『はっ!僕ってば生でモヒカン見たの初めてだから興奮して思わず口に出ちまった!』

「…お前殴られたいのか」

『えぇっ!?モヒカンって言っただけじゃん!別に「うっわこいつモヒカンだよ恥ずかしくねぇのかよ」とか言ったわけじゃないのに何で殴られなきゃなんないの!しかも初対面の人に!!』

「うっせぇ!もう既に俺のヘアースタイル馬鹿にしてんだろーが!!」

『ばっ、馬鹿になんかしてないよ!寧ろカッコいいと思うし!』


うん!超似合ってるよその髪型!
そう言って彼の髪型を褒めてあげるとモヒカン君は頬をぽっと染めた。
あら、可愛い。


「そ、そうか…?」

『うんうん!もっと自信持っていいよ、似合ってるよモヒカン!モヒでカンな雰囲気が堪んないよ!』

「そうかそうか、モヒでカン…ってやっぱ馬鹿にしてんだろ」

『あ、バレた?』

「…やっぱ一発殴らせろ」

『うん、全力で遠慮させてもらうよ!』

「遠慮しなくていいぜ、大丈夫だ気絶する程度に加減しといてやるから」

『それ加減するって言わないよね、寧ろ全力で殴りにかかってるよね』


だって気絶って!普通じゃないもん!


『ってか!僕こんなことしてる場合じゃないんだよ。早くみんなを捜して合流しなきゃなんだよ!』


もし新帝国学園との試合がもう終わっててみんなキャラバンに戻ってたら瞳子さん容赦ないから絶対僕のこと置いて行くに決まってるんだ!
それだけは何としてでも阻止しなければ……!


『まぁそういうことだから!またいつか会えたら会おうモヒカン君!』

「あぁ!?てんめっ…待ちやがれ……!」


言い終わる前に全力疾走。
後ろの方でモヒカン君が何か言っていた気がしたけれど、よく聞こえなかった。


***



「遅い」

『ご、ごめんなさい…』

「あなたが迷子になってる間に新帝国との試合は終わったわ」

『えぇっ!?じゃあ僕また試合に出れなかったってことじゃん…うぅー……』

「…それから、」


一拍置いて、瞳子さんは静かに言った。


「染岡君が足を負傷したわ」

『…う、そ……』


負傷?怪我?しかも足ってなに。
染岡っち、サッカーできなくなっちゃうの?


「本当よ。本人は大丈夫だと言っているけれど。あれはかなりの重症だと思うわ」


ちゃんと治療をしたら前みたいにサッカーは続けられるとは思うけれど。と瞳子さんは言った。
だけど僕の怒りは収まらない。


『…誰に、やられたの』

「……新帝国学園のキャプテン、不動明王君よ。特徴は…そうね、モヒカンだったわ」


モヒカン…モヒカン…モヒでカン。
うん、間違いない。さっき会ったモヒカン君。
アイツだ。絶対そうだ。アイツならやりかねん!
初対面だったけど絶対あのモヒカン君が不動明王ってやつだ。
だって今どきモヒカンなんて中々いないもん!
許さん!まじで許さん!染岡っちの足をよくも…!!


『あのモヒカン野郎…。次会ったら半殺し…いや、4分の3殺しの刑に処してやらるぁあああああ!!』


(((うっわぁ、鈴音超荒ぶってるーっ!)))


荒ぶる鈴音には近づくべからず。
イナズマキャラバンでの暗黙の了解(ルール)が一つ、生まれたのであった。


おまけ

(安心して染岡っち!僕が絶対に染岡っちの仇を討つからね!)
(お、おう…?)



***
今回のモヒカン率が異常な件(笑)
さて、今までの中で何回モヒカンが出てきたでしょう?←


2012.02.10

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