青春クライマックス!

□プロローグ
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とある朝の満員電車の中で事件は起こった。


「っ、!?」


女子中学生の尻を撫で回す、中年男性の手。
――痴漢だ。


「…花蓮っ……!」


被害者の女子中学生が小さく呟いたその刹那、
ぶちん。
何かが切れる音がした。


「!」


がしぃっ!
被害者の女子中学生にそっくりな顔をした少年が白くて細い、華奢な手で中年男性の手を捕らえた。


『オッサン、人のツレの尻撫で回すの止めてくんない』


「!?いででででででで!!!」


ゴキ、バキ、ゴリュッ…ポキッ。
異常なまでの握力で手を掴む少年。痛みに耐えきれず中年男性はついに悲鳴を上げた。
その指先は血の気が引いて真っ青だ。


「っ、失礼だな君!…って、女!?」


やっと解放された手をさすりながら言い返そうと先程の少年…否、スカートをはいた少女を見て中年男性は目を見開いた。


『どっちが失礼なんだよこのエロオヤジ!事もあろうに私の弟に手ぇ出すとは…死ぬ覚悟はできてんだろーな?』

「わ、私は痴漢なんて…ちょっと待て。弟?ということは、男!?」


尻を撫でた相手が男だったと知ってさらに目を見開く中年男性。


『うちの蘭ちゃんは見た目は超絶美少女だけど列記とした男の娘だこの野郎!』

「花蓮、漢字違うから。男の子な?」


呆れ顔で訂正する被害者女子中学生…ではなく男子中学生。


『蘭丸っ!大丈夫?』

「あぁ、俺は平気…じゃなくて!この人本当に痴漢なのか?」


被害者の中学生…もとい霧野蘭丸は双子の姉である霧野花蓮に問いかけた。
男である自分が痴漢に遭ったなんてあり得ない、といった様子だ。


「そっそうだ!大体私だという証拠があるのか!?」


それをいいことにしらを切ろうとする中年男性。
…だが、相手が悪かった。


『私が見てただけじゃあ証拠にならないってか?いい度胸じゃねぇか電車降りろやオッサン、フルボッコにした後警察に突き出してやるぁ!』

「ひぃっ…ぎゃあああああ!!!」


青筋をたてた花蓮がポキポキと指の関節を鳴らしてそう言った3秒後、車内に中年男性の断末魔が響き渡った。



***
初っ端から痴漢に遭遇しちゃった蘭丸君。
だって可愛いんだもん。女の子みたいなんだもん。そりゃ痴漢にだって遭うさ★←
目の前に蘭丸がいたらその場で拉致って連れて帰る自信があr((堂々と犯罪宣言するな
そんなこんなで始まりますイナGO連載、よろしくお願いします!


2012.03.19

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