青春クライマックス!

□イメチェンはほどほどに
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「ちょ、どうしたのその格好!?」


「霧野姉弟の1日性別交換大作戦」実行中な朝のHR。
教室に入ってきた春奈ちゃんは私と蘭丸を見るなり目を白黒させた。
さすが春奈ちゃん!期待を裏切らない反応だぜ!


『んー、イメチェン?』

「そんなイメチェンがあるか!」

『ちっ、バレたか…』

「バレるわ!いくら双子でも髪型違うし性別違うし身長の差ありすぎるしバレるわ!」

『でも似合うでしょ?』

「そ、れは…否定できないけど……」

「否定してください!俺はこんな格好したくなかったんですなのにあいつらが無理矢理っ…!!」

『ら、蘭丸っ…いや蘭ちゃん!その格好で赤面涙目はやばいよ可愛すぎるよぐっじょぶ女装!!』

「お、落ち着け花蓮!」

『だ、だだだだって神童!蘭ちゃんがっ蘭ちゃんが女装だよ!?幸せすぎて今なら死ねるよ私!!』

「うわああああ死ぬな花蓮!音無先生どうしよう花蓮が「死なないから!人間そんなことで死なないからね神童君!!」え、そうなんですか!?よかった!!」

「と、とにかく!早く着替えてきなさい!!」

『えー、そんなぁ』

「えー、じゃない!これじゃ授業にならないでしょ!」

『けちんぼー!いいじゃん1日ぐらい!』

「駄目なものは駄目!似合ってるのは認めるけど駄目!」


こうして「霧野姉弟の1日性別交換大作戦」は1日どころか半日も持たず、たったの1時間で幕を閉じたのであった。


***



『うー、春奈ちゃんめ…!蘭ちゃん可愛かったのにー!』


放課後、サッカー棟でみんなが来るのを待ちながら愚痴り大会開催中。
といっても愚痴っているのは私だけなんだけどね。


「まぁ確かに、霧野の女装異常に似合ってたよな」

『え、なに。倉間もしかして蘭ちゃんに惚れ「てないからな」…なんだ、つまんないの」


禁断の愛!みたいな展開期待してたのに。
そう言ったら倉間に殴られた。痛かった。


「花蓮の男装も中々似合ってたよなー。なぁ、速水?」

「え、あ、はい。かっこよかったです」

「周りの女子、顔赤くしてたしな」

『え、なにそれ聞いてない!』

「聞いてないも何も、言ってないし」

『私ってば女子にモテモテ?うわ、照れるー』

「うわ、キモいわー」

『む、なにさ自分が女子にモテないからって八つ当たりしないでよね』

「うっせ、余計なお世話だ!…あ、」


否定するつもりがまさかの肯定。
自分で認めちゃったよこの子。


「ぶはっ、墓穴掘ったな倉間!」

「倉間君…」

「速水っ!そんな憐みの目で俺を見るな!浜野と花蓮ならうぜぇだけだけどお前だとなんか傷つくから!」

『ふっ、倉間乙…』

「うっざ!お前まじうっざ!」

『倉間に言われたくない』

「てめっ…!浜野、速水!先に言っとく、絶対俺を止めんなよ!」

「へ?」

「ちょ、何する気ですか」

「もう我慢なんねぇ!」

『みゃっ!?』


むに、私のほっぺたを倉間が掴んだ。
…とっても嫌な予感がする。


「俺を怒らせるとどうなるのか思い知らせてやらぁ!」

『にゃあああああ!痛い痛い痛い!ほっぺたもげるまじで!!』

「は、ざまあみろばーか」

『〜っ、痛いって言ってんだろーがァァァァァ!!』

「ぶっ!」


調子に乗った倉間の顔面に向かっていい加減にしろとばかりに頭突きをおみまい。
同時に私のほっぺたから倉間の手が離れた。


「く、倉間ぁぁぁぁ!」

「倉間君んんんん!」


鼻血を出して地面とこんにちわしたまま動かない倉間。
浜野と速水が駆け寄って体を揺すぶるけれどぴくりともしない。
え?え?もしかしてもしかしなくても失神した?
私ってそんなに石頭だったのか。初めて知ったよ。
失神させるつもりはなかったんだごめんよ倉間。



おまけ

(なぁ、なんで倉間は鼻血を出して倒れてるんだ?)
(ち、違うよ神童!倉間は寝てるんだよ、鼻血出してるからエロい夢でも見てるんじゃないかな!)
(なるほど!)
((眠らせたのお前だろ!ちゅーか神童あの説明で納得したんか!?))
((…倉間君、ご愁傷様です……))


2012.03.23

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