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□お化けが怖いんじゃないよ…
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『ちゅるぎー』

「誰がちゅるぎだボケ…」

そう言って私の頭にチョップをする剣城

『京介…』

「なんだよ…さっきから」

『やっぱりお化け屋敷はやめようよ』

「おまッ…俺がわざわざ一緒に並んでやったのに
今更それ言うかよ!!」

私と京介は
今遊園地にいます
いわゆるデートってやつなんですが
絶叫系も粗方乗ってしまったので
調子にのってお化け屋敷に行こうっと言ったのが間違いだった

ここの遊園地のお化け屋敷は雷門で1番怖いって有名だったのを
入る前に思い出してしまった

「お前もしかしてお化けとか駄目なのか?」

『まッ…まさかぁ〜』

ニヤニヤと意地の悪い笑顔をする京介
このドSめッ!!
そんなことを思いながらお化け屋敷に入った

「名前…大丈夫か?」

『これが大丈夫かッ!!』

お化け屋敷で驚きすぎて
途中で腰が抜けてしまって動けない

『マジありえない…
なんでこんなに怖いのさ』

涙目になりながら俺に訴える名前
そろそろ移動しないと
後ろから人来るからな…

「おい…掴まれよ」

『えっ…』

動けない名前を横抱きして
出口まで行く

『きょ…京介!!降ろしてッ!!』

「動けないやつは黙っておけ」

『だからって…お姫様抱っこは無い!!』

「ぎゃーぎゃー騒ぐな」

出口を出て、近くのベンチに名前を降ろす

「飲み物買って来るから
ここで大人しくしておくこと…いいな」

『……わかったよ』

「ほかになんか買って来て欲しいのとか…」

『クレープ…果物が入ってなくて
チョコと生クリームだけのやつ』

不貞腐れている名前

「へいへい…」

売店で飲み物とクレープを買ってさっき名前を降ろしたベンチに急ぐ


名前はボーっとしていた

ちょっとした悪戯心で
ほっぺたに飲み物を当ててみた

『きゃッ!!』

「お前そんな声出せたんだ」

『京介ッ!!吃驚した…
クレープは?』

「ほら」

『有難う』

美味しそうに甘たるい匂いのするクレープを食べる名前

あっという間に完食してしまった

『あぁー美味しかった』

「名前…動くなよ」

京介はそう言ってほっぺたを触った

『なにしてんの?』

「ほら」

そう言って京介の指をみたら生クリームがついていた
ということはほっぺたにクリームがついていたってことだ

恥ずかしいんだけど!!!

そう思っていたら

京介は生クリームが付いた指を舐めた

「甘ぇー」

『なっ!!』

「お前よくこんなもの食えるな」

『ちょ…なんで舐めるのよ!!』

「なんでか…聞くか?」

そう言って私の耳元で


顔が真っ赤だぜ?


(っ〜…死ね!!)
(彼氏に向かって死ねはないんじゃねーの)
(ってかよくこんなのマジで食べれるよな)
(なら舐めなければよかったじゃん)
(へいへい…ご機嫌直せよ…お姫様?)
(お姫様言うな!!)

   
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