Novel

□衝動
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愛しくて仕方ない。でもその分壊したいとか黒い気持ちもある。
俺の中のドロドロした黒い感情はいつも抑制される。

傷つけたくない
泣かしたくない
哀しませたくない

そんな気持ちに抑えられて行き場を失った感情。


いつか…────


「──ックス?」
「あー?」

重い瞼を上げると、見慣れた赤が眼に映る。
「俺寝てた?」
「気持ち良さそうに結構寝てたぞ、と」

雑誌読んでて…そのまま寝ちまったか…。そんなことを考えながら重い身体を起こす。
「いい夢見たか?」
レノの問いに、んー…と首を傾げ曖昧な返事をしてやれば、ムッとした表情を返される。

そういうのがそそられるって分かってんのかな?
そう思いながら、恐らく夢の中で考えていたであろうことを思い出す。


俺は壊さない。自分のこんな醜い感情は知らなくていい。
この感情が外に出てしまったら、レノは赦してくれるか?それとも責めるか?


もしそんな時が来たら、俺はレノに傷を作っちまう…


「傷付けないからな……」

一人呟くと、何が?とレノが首を捻るが、その可愛らしい仕種に微笑みつつも、俺は固く心に誓った。




-----あとがき
布団の中でうつらうつらで書いてごめんなさい

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